廻り、また出会う

□ユメアト 今ヘト続ク物語
1ページ/3ページ




 昔、一体の頑駄無がいた。


 その頑駄無の名は



 後の新月"



 だが、その時の彼は

 今ほど、闇に魅入られてはおらず

 無垢な子供だった。





 「母さん!! 今日猫を見たんだ!!」


 「フフ、よかったわね。―――」


 「うん!! また会えたらいいな!!」




 その時の彼は、

 今ほど汚れておらず

 無垢な若者だった。



 「母さん? どうしたのですか?」

 「―――、わ、たし……っ!!」

 「母さん? 何で泣いているの!!」



 その若者の運命は

 その時から、狂いだした。




 「―――、どうしたのー?」


 「捕子…母さんがっ!!」


 「え…?」


 
 その時、ヤツ"と


     ―――出会う。




 若者ハ闇ニ染マル。


 

 「どうしたんだい? そんなに悲しんで…」



 「母さんがっ!! 俺の母さんがっ!!!」



 「助けてあげましょうか?」


 「え? 助けてくれるの」

 「えぇ…(ニッコリ」

 「助けて!! 母さんをっ!!」

 「はい」



 その日から、

 若者は、その日から変わり始めた。

 若者は何もしてない者達を斬り始めた。



 ただの子供、老婆であろうと惨忍に斬るだけの



 ――――鬼。






 ―――・・・・・




 あれから、数十年


 若者は新月となった。




 「これから、わたしのために働いてくださいね、新月」


 「……………」


 「―――、新月…僕はいつも味方だからね」



 捕子は虚しく呟いた。




 その鬼は運命の事で出会う


 そう遠くない・・・・・



 END


 →あとがき、オマケ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ