短編1
□わがまま
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どんなことをしても泣かなかった
怒らなかった、
そんなあいつが気に食わなかっただけの話
「サスケー重い
そんなにあたしの膝の上は気持ちいいか」
「馬鹿いうな」
「何をう」
「…誰か来ちゃうよ」
「別にいい」
「あら大胆」
あははと笑うこいつ
こいつはイタチを殺すと聞いてどんな気持ちだったのだろうか
でも、それでも俺に着いていくと言ってくれた
きっと俺はこいつの言葉に甘えているんだろうな、と思う
「なあ、」
「なに?」
「何処にもいくなよ」
「行くところなんてないよ」
「イタチ、とか」
俺ってこんなに独占欲が強かったか
ほんといつもコイツの前じゃあ、
「…サスケの傍にいるよ、ずっと」
情けねえな、
「ん、」
唇を押し付けた
逃げないように、俺しか見えないように
そうすればいつか俺に泣いてくれる、怒ってくれる、
本当に笑ってくれるはずだから
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