日和
□迷った気が一周廻って帰ってきた先に
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-迷った気が一周廻って帰ってきた先に-
僕に一瞬遅れて太子も達した。最中に散々中には出すなと念を押しておいたおかげで、おっさんの遺伝子を体内に残すという最悪な状況だけは免れほっとする。
(でもやっぱり屈辱だ…太子に抱かれたなんて……)
因みに言っておくが別に僕らは好き合って行為に及んだわけではない。いうなれば太子の欲の処理。まあ、性的な方面の。
太子は摂政だから女でも呼べば良いものを、わざわざ男の僕を指名してくるあたり本当憎たらしい。
まあそれももう終わったと思えば気が楽だ。
はあ、と一息ついてちらりと太子に目をやる。情事中に蹴飛ばされた掛け布団を手繰り寄せるその顔と目が合うと、いつもと同じ締まりのない笑顔で返された。
瞬間、胸がどきりと鳴った。それから活動的になった心臓から次々血液が送り出され、急に顔が熱くなる。
(ど、どうしたんだ僕…っ)
真っ赤に染まっているであろう僕の顔を見られたくなくてふいと顔を逸らした。途端聞こえてくる笑い声に少しむっとしながらも振り向けない。
どくどくと心音だけがやけに耳につく。
(あああ煩い煩い煩い煩いうるさいっ)
パニックに陥ってパンクしそうになっていたところに放り出され冷たくなった掛け布団がかけられる。冷たいそれが火照った身体に気持ち良くて、肌に直接触れるさらさらとした布の感触が心地好くて、なんだかどうでも良くなった。
(頼まれて断らないあたり、僕も相当この人を好いているのかもしれない、)
意地やらプライドやらぐちゃぐちゃ面倒臭い感情を放棄して素直な思考で結論に達した。それが最終地点なのか、思考の経過なのかはわからないけれど。
未だに振り向かない僕の頭を愛おしげに撫でる太子の掌がやけに心地好かったので、当分は嫌わなくてすみそうだと自然に頬が緩んだ。
情事後の空気の甘さが頂点に達して、少し気恥ずかしくなった僕は悟られないようにできるだけ素っ気なく風呂へ行くと告げる。
身体を起こした途端内股に伝う情事の名残に、躯の芯からぞくりと震えた。
絶望と困惑で頭がいっぱいになっていた僕の背を、太子が情事中のような厭らしい笑顔で眺めていたのを僕は知らない。
-迷った気が一周廻って帰ってきた先に
さあ愉しい恋愛ゲームの
幕開けだ
存分に苦しんで逝って、
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太妹ってゆうか太→妹。
妹子が可愛くて仕方ない太子と花占いみたいに好き嫌い好きを繰り返し悩んでる妹子。
この太子は妹子大好きですが好きな子には意地悪しちゃうタイプでもう本当妹子可哀相。笑
愛情が切ない弁当箱の中身くらい偏ってる(偏り度合いがよくわからん)のが好きです。
とか言ってるあたり一番質が悪いのは僕かもしれませんね。なんて。←
違いますあれです、すべては愛故…←←
それではここまでお付き合い頂きありがとうございました!