2

□辿り着いた先の虚無
2ページ/2ページ




端からみればちっぽけなものかもしれない意地やら自尊心やらがその原因。
どうやっても死ねないと理解した何千年前からこつこつと積み上げてきたプライドを安々と壊されたくなかった。

あまりに可哀相だと言って向けられた眼差しに、同情とは別の感情が混じっているのは知っている。それが怖い。
彼に絆された時の自分なんて安易に想像できた。泣いて泣いて泣いて、泣きじゃくった挙げ句に彼に依存してしまうのだろう。
そうやって相手と自分の首を絞めるような最悪の状況になんて持って行けるわけがない。


じわりじわりと映えた青が歪む。
俺はついにはらりと堪えられなくなった涙を零す鬼男くんに、ごめんねと呟くことでどうにか気を紛らわした。





.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ