パンドラハーツ

□お茶会
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ブレイクはやっと大人しくなったアリスの頭を再び撫でる。呪われるというのは勿論嘘。
単純なアリスに笑いだしそうになるのを堪えながらその綺麗な髪を観察した。


――本当…綺麗な黒だ、


絹のような細い髪が艶々とした漆のようで…さらりと,とかしやすそうなその髪はとてもとても綺麗だと思う。


――白いアリスと黒いアリス
どちらが本当の君なんだろうネ?――


情緒不安定な白いアリス
真実を求める黒いアリス


白い君と交わした 最期の―――……


『もうよせ!』


下から聞こえる声に我にかえると顔を真っ赤にさせたアリスが睨んできた。


『いつまで撫でているつもりだ貴様!』

『オヤ,いいじゃないですカ減るもんじゃないし』

『そういう問題じゃない!早く退けろ!』

渋々手を退ける。

顔を真っ赤にさせたアリスが可愛くてしょうがない。


『ふふ…全くからかいがいがある…』

可笑しそうに笑うとアリスはあり得ないくらい真っ赤になり怒って席を立った。

『わ,私は帰る!』


『ドウゾお好きになさいナ♪』

ケラケラと笑う道化師を睨み付けたがあまり効果は無い様で,なんとも言えない敗北感がアリスを襲った。


――っだからこいつは苦手なんだ!


とうとう背を向けてドアへと向かうアリスに『アリス君』とブレイクは声をかける。


『………なんだ?』

そのまま振り向きもしないアリスにふっと笑う。
彼女らしい行動…そのひとつひとつがいとおしい。



『明日もお茶会しませんカ?』

『明日はシャロンが居るだろう』


『君とゆっくり飲みたいんですヨ』


するとアリスはくるりとこっちを向き

『に、肉を用意…するなら…い、行ってやっても、いい、…!』

とブレイクを見ずにぶっきらぼうに言うと大きな音を立て部屋を出て行った。


『アリス…きみの仰せのままに』


そして帽子屋はアリスとお茶会をする。


――暖かな午後の香りを貴女と…



end
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