-詩-

□夜
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世界が静謐に包まれ

あらゆる生き物の生気薄れるとき

漆黒の闇が一面を浸食し

太陽は死に、月が支配する

月光は水面を幽かに映し出し

向き合う彼の頬すら病的に蒼白にする

夜は

あらゆる罪を許し

あらゆる嘘を隠す

目に見える総てのものを、
昼とは違う感覚のものへとすり替える

あらゆる理性は奪われ

欲望の姿を発露する

夜はそれを黙認し

朝には総てを夢のなかへと片付ける

夜のそんな魔力が

こんなにも夜を美しくみせるのだ

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