〜交響詩〜

□海岸の桜の木
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僕は気が付いたら
ソコにいた。

ソコが何処か
わからずに。

けれども
唯ひたすらに
居心地が良くて
だから、僕はまた
瞼を閉じるんだ。

砂浜に
夢を描く
あの場所の
風のにおいと光を
友の笑顔と思い出を

また、
あの季節が来るから
それまで
夢よ
消えないでくれ。






桜が風に揺れる。
春風は
イジワルだよね。
僕の思い出と
大切な仲間を
引き裂いてしまうんだから。

心が波に触れる。
今日の波は
イジワルだよね。
大切な仲間との
僕の約束を
奪い、消してしまうんだから。



春に泣いたよね
春に笑ったよね


どんな事が
あっても
変わらないものがあるから
僕は前だけを見れるんだ。


明日も十年後も
きっと今日のままな気がするから
僕はまた
この場所に来よう。
この桜の木の下に。

海岸の桜の花びらよ
僕らの
思いを桃色に染めて
空へと届けて下さい。

君が夢見る明日へと。

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