book
□蓮歴記
4ページ/10ページ
湊は鼻歌を歌いながら紅茶を入れる。
・・・
校内で職員はコーヒーと麦茶以外飲むこと許されてないんだけど。
「おい湊」
「へいへい。これは麦茶ですよーだ」
みえみえな嘘をつく。
ならこの甘い香りは何だ。
言ってやりたい。
・・・はあ。
「へえー。で、その日々に飽きた生徒が登校してくると。」
「飽きたなんていってないじゃん。」
「同じだと思うが・・・じゃなくて・・・そうかー」
その生徒の学籍を見る。
ぱらぱらぱら。
社妓奏人。
17歳。高校二年生。
制服、頭髪、アクセサリー等に違反あり。
成績、悪くはない。
テスト、いつも上位。
・・・なんだこの意味のわからない学籍は。
「・・・あれか?謹慎処分を受けてたとかじゃないんだな?」
「失礼だよ〜かなたんに」
「かなたん!?なんだよそのあだ名!!」
紅茶をテーブルの上に置く。
・・・俺は出されても飲まんぞ。
「かなたんはねぇ〜ちょっと授業でなくてちょっと先生に反抗してちょっと口がわるいだけでとっても優しい子なんだよ?」
「それをこの世で言う不良と言うんじゃないか?」
湊はそう?と言って紅茶をすする。
とてもいいにおいが職員室に漂う。
他の教員は気づかないのか?嗅覚障害?
「不良って言うのは外でたむろってるあいつらを言うんでしょ」
湊が指さした先は校庭。
校庭には髪をオールバックにした金髪集団が輪を描いてたむろっていた。
「あれでかっこいいって思ってるらへんがまたすごいよね」
「つかそう思うんなら注意しろよ」
わざとらしくため息をついてみるが奴は気にしてない様子。
・・・あれだな。
馬の耳に念仏。
・・・あってるか?