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□蓮歴記
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「でよ。この生徒は何組なんだ?」

 「もう♪光ちゃんったら♪光ちゃんのクラスに決まってるでしょ♪」



いやーんとか言いながら俺の胸襟をくるくる指で撫でる。




光ちゃんのクラス。




・・・俺のクラス?



「まて。俺が担任を持ったときに渡された生徒表にこいつが載っていた覚えがない。」


それはホントのはずだ。


俺が二年を持て、と言われた時にもらった生徒表には34人の生徒しか載っていなかった。


こいつを混ぜれば35人にな
る。

生徒表の中を全部覚えていなくともそれくらい考えればいいことだ。



 「いやん。ちゃんと見てたのね。」

 「お前のクラスだろ?俺のクラスに持ってこようとしてもそうはいかない―――」

 「違うよ」



すっぱりと言い切る。



・・・湊が真面目な顔すると怖い。

ちょっと笑いそうになるけど。



 「何がどう違う」

 「かなたんは特進クラス。特進クラスの校舎がさーかなたんが不登校になった後につぶれちゃってさー♪進学クラスからくるってわけ。」




校長先生。

特進クラスっていうくらいなんですからきちんと管理しましょうね。


マダムなママたちから苦情が来ますよ。



 「へええ。いつつぶれたんだ?」

 「残念ながらおととい」

 「はあ?」



おとといと言えばさわやかな晴天だった気がするのだが?

嵐とかきましたっけ?



「校長先生がそこに別荘立てたいからってつぶれた」



校長せんせーーーーーい!!!!!!!



別荘!?

それだけのためにマダムの怒りを買うんですか!?



「はあ。・・わかったよ。で、他にはこないのか?その特進クラスの生徒は」

 「今んとこはねー。後から校長先生が気まぐれでなにか起こしたりしなければー」



校長先生どんだけ無責任なんだよ!!


でもそんなこの学校も入学者は毎年減らない一方なのが不思議でたまらない。



 「天然系の魅力・・・???」

 「なーに言ってんの光ちゃん?」



湊に顔を覗かれる。

・・・独り言がそんなに珍しいか?


 「なんだ」

 「いや、こっちのセリフなんだけども」


むすっと頬を膨らませる。


・・・俺じゃなくて、奴が。

俺だったらきもちわるいのなんの・・・



 「もうっ!光ちゃんなんてしーらないっっ!かなたんに殺されちゃえっ!」


あっかんべーして去ってゆく。

・・・今、殺されちゃえ、とか言いませんでしたか?
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