春風駘蕩
□春風駘蕩3
1ページ/5ページ
あれから正式に真選組で働くことが決定し、私は色々な諸説明を聞きに屯所へ来ていた。
『い、医療隊の隊長ですか!?』
「あぁ。よろしくな」
いやいや、よろしくなじゃなくて。
『冗談はよして下さいよ』
「冗談のワケねーだろ。今現在で医療隊に所属してんのはお前なんだから」
いや、確かにね。
そうだけど…
「隊長って言ってもそんなたいしたことしないから!自信もって、ななこちゃん!!」
黙れ、ゴリラ。
責任重大なんだよ。ちょっとミスったら全部あたしの責任なんだよ。
…ってあたしだけしかいないんじゃ関係ないじゃん。
『解りましたよ。仕方ないですね』
スパーン!!
「只今帰りやした。あれ?誰ですかイ?その女」
なんかスッゴい棒読みの人来たぁぁあ!!
「おぅ!総悟!!無事だったか!」
「お前、今明らかに解ってて入って来ただろ」
「なんのことですかイ?土方さん。頭イカレちまったか」
ていうか、淡い栗色の髪にベビーフェイスのこの男の子は一体誰ですか?
「んだと!?コラァァァア!!…まぁいい。ちゃんと報告書出せよ」
「あんたが医者っていう春風ななこか。…ふーん」
な、なに!?
まるで品定めされてる気分であまり気分はよくない。
「おい。無視か?いい加減にしろよ」
土方さんの元々開いていた瞳孔が更に開く。
「なんだ、総悟知ってたのか?ななこちゃんはこれから俺たちの家族になるんだ!歳も一緒なんだから仲良くしろよ!!」
近藤さんの言葉に耳を傾けず、じっとあたしを見ている。
睨むっていうよりは、観察するように…