春風駘蕩

□春風駘蕩8
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ピーンポーン



『ごめん下さーい春風ですけど!…あれ?留守かな』

ガシャがらがらがら…


『開いてる』


今日は何時もの隊服 ではなく、春らしい梅(最近まで桜だと思っていたけどよく見たら梅だった)がちりばめてある着物に小豆色の袴を着て完全オフな感じで万事屋に遊びに来ていた。


のに、鍵は開いてるのだが万事屋メンバーはいない。


『神楽ぁー!!新八くーん!銀さーん!居ないのー?』


耳を澄ませても物音1つしない。

出掛けてるのかな〜。


「なんだい?お前さんは。バカ共に用事でもあるのかい?」

突然下の方から声がした。


振り返って見ると階段を2、3段上がった所でいつぞや銀さんを投げ飛ばしたバイオレンスおばさんが立っていた。


『まぁ、ちょっと遊びに来たんですけど留守みたいで…』


「そーかい、定春の散歩にで行ってんだろ。そろそろ帰ってくる頃さね」


『定春?ペット飼ってたんだ。そうですか、ありがとう御座います』

あたしが前来たときは居なかった気がしたけど…


「あんた、名前何ていうんだい?」


『春風ななこといいます』


「そーかい、あたしゃ下に住んでるお登勢だよ。今度店に遊びに来な」


『いいんですか!じゃあ近いうちに来ますね!!』


「待ってるよ」


第一印象は怖かったけど、実は凄く良い人そう…



さて、
お登勢さんに家に入って待ってなと言われたので、留守だけどお邪魔することにしよう。


そういえば、もうお昼時だなぁ。


銀さん達もお腹空かせてたりして…


ていうかあたしがお腹空いた。


ってことでちょっとキッチン借りよう。

何が良いかなぁなんて考えていたら、がらがらがらと玄関が開いた。


「銀さーん!あら、留守かしら?」


入ってきたのはこれまた綺麗な女性。


そして目が合っちゃう私達。


もしかして、もしかして!!

銀さんの彼女!?
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