□春風駘蕩34
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ピ、ピ、ピ、と規則正しい機械音が病室に響く。


ベッドに横になりっきりで全く目を開けてはくれない。


腕に包帯を巻かれた姿が痛々しく感じる。


どうしたんだよ、なにがあったの?


「ななこちゃん…」



「ザキ、春風の様子はどうだ?」


ガラガラと扉が開くのと同時に副長が病室に入ってきた。


「副長…」


言葉にするかわりにふるふると頭を横に振る。


「そうか…ったく、世話ばっかかけやがって」


微動だにしないななこちゃんの顔を覗きながら副長がため息をついた。


まるで死んでるみたい…早く起きてよ、ななこちゃん…


「山崎…お前、昨日から寝てないんだろ?休め。後は俺が見てる」


「でも…」


「そんな疲れた顔したお前を見たら春風が怪しむだろうが。いいから寝とけ」


「……分かりました。じゃあ後は頼みますね」


「あぁ」


そういって俺は病院を出ていった。


本当は副長だって寝てないくせに。
目の下の大きな隈がその証拠だ。


意地張っちゃって
相当心配なんだろうな。


副長をこんな風にしてしまうなんてやっぱななこちゃんはすごいや。


俺だって例外じゃないけどさ。

君のせいで丸3日寝てないんだから。


だから…早く熟睡させてくれよ。
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