□春風駘蕩40
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『真選組の方ってお仕事大変そうですよね』


「まぁ、そうだね。上司はコキ使ってくるし、俺は雑用みたいなもんかな」


「雑用だって立派なお仕事ですよ!私だって…」


患者がいなければただの雑用だし。


「きっとそのうち春ゃんならナンバーワンになれるよ。すごく綺麗だし、スタイルも抜群だし」

『え…お、お世辞はいいです!やっぱり口説いてますね』


「あ、そ、そいう訳じやないんだ。ホントに可愛いなって思って」


…や、山崎さんが私を可愛い…だと?


いやいや、いやいやいや!!


突然ドンッとテーブルの上に酒瓶が叩きつけられる。


「お客さん、うちのキャバ嬢に色目使われると困るんですよ」


驚いて見上げるとボーイの格好をした銀さんが山崎さんを睨み付けている。


『銀さん!!ちょっとなにしてるんですか!?』


「あ?だってこいつが今お前の胸見てたから」


「だ、旦那ぁ!!ちょっ、誤解ですよ!ていうかなんであなたがここにいるんですか!!」


『あ、あの助っ人で呼んだんです。ボーイも風邪をこじらせたので、万事屋さんに依頼したんです』


「そういうことだ。分かったか、クソ野郎」


『あの、私は大丈夫ですから、銀さんもちゃんとお仕事して下さい』


「お前、厭らしい目で胸じろじろ見られてていいのかよ」


「だから見てないって!!」


『それが仕事なんです!私はキャバ嬢なんだから』


叫び声がお店に響いた。


もう、なにをそんなに怒ってるのよ。


「よくぞ言ってくれた。」


いきなり近藤さんが立ち上がってあたしの肩を持って満面の笑みを向けてきた。


「『え?』」


山崎さんの声と重なった。


周りも納得したような顔をしてあたしを見ては、うんうんと首を縦に振る。


銀さんまでもがあたしを見てくる。


どうゆうこと?
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