小説 クロスオーバー(Fate・なのは・ネギま)
□第七話
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森の中にあるログハウスの前、士郎とタカミチがいた。
「っと、ここがエヴァの家だ。じゃ、僕はこの辺で失礼させてもらうよ。」
「ん?寄って行かないのか?」
てっきり一緒に入ってくるとばかり思っていたのでタカミチの言葉に疑問を示す。
「僕は案内を任されただけだしね。仕事も残っているから。あー、それと・・・」
タカミチは一枚の手帳を取り出し底に何かを書き込み、そのページを破りを士郎に差し出す。
「これは?」
「なのはくんの制服のお店のメモだよ。サイズがわからないからこっちで勝手にやるわけには行かないからね。調べ終わった後はそっちに送るように手配しておくよ。代金の方はこっちから出しておくから。」
「他の教材とかは?」
「そっちの方は、後日こっちでまわしとくよ。」
「そうか、何から何まですまない。」
「気にしなくてもいいよ。・・・・たぶん僕達の方も士郎君に迷惑をかけてしまうと思うから。」
少し遠い目をするタカミチ。それに疑問を覚え問いかけようとする。
「?それってどういう・・・」
「ははは、気にしないでくれ。じゃあ、そろそろ時間だからまたね。」
空笑いをあげながら去るタカミチに非常に不安になった士郎であったが、その不安を押さえ込みエヴァの家の呼び鈴を鳴らす。
カラン、コロン
呼び鈴を鳴らしていくらかしないうち、ドアが開き茶々丸が出てきた。
「士郎さんですね。マスターがお待ちです。中にお入りください。」
「ああ。遅くなってすまなかった。」
「いえ。お気になさらず。」
茶々丸は無表情に対応し中を案内する。が、その無表情に少しの困惑の色があるように士郎は思った。
「あー、そうかし」
「おー。やっと来たか。遅かったな。」
そのことに対して問おうとしようとしたが、いつの間にか居間に着いていたらしくソファーにふんぞり返っていたエヴァに声をかけられた。
「すまなかった。いろいろと話すことがあったから少し遅くなってしまった。」
学園長室で会った時よりも、いや、少ないながらも今まで一緒にいた中で一番の機嫌のよさそうなエヴァの様子に驚き、つい先までの茶々丸のことについて忘れてしまう。
「ふん。まあいいだろう。」
「あー、えっと、そういえばなのははどこにいるんだ?」
何か言ってくるかと思っていたが、
「ん?あいつなら」
「・・・・エヴァちゃん、これ私には少し派手なんじゃ…ッ!?し、しろうくん、い、いつの間に?!」
「な、なのは!?その服はいったい。」
「ほう。なかなか似合っているじゃないか。」
ひょっこりと部屋に顔を出したなのはは湯上りのためか髪は結ばず後ろに流していた。しかし、そんなことより士郎が注目したのは服。なのはは、ピンクのフリルが大量に付いた所望ゴスロリという服を着ていた。間違っても普段一般の人が着る服装ではない。
「こ、これは違うの。エヴァちゃんに私のお洋服を洗ってくれてる間代わりにって、お風呂に入っている間に茶々丸さんが置いていって。」
「私は、あまりそういう色の服は着ないんで奥の方に放置していたんだが・・・・ちょうどよくサイズもあっていたようだな。」
混乱しながらも必死に何かを言おうとするなのは。そんな様子にエヴァは笑いをかみ殺しながら士郎のほうを見る。
「ククック。ほれ。貴様は何か言ってやったらどうだ?」
「あ、ああ。似合っていると思うぞ。」
「ほれ。この男もそう言っているぞ。良かったじゃないか。」
なのはの顔どころか、全身が真っ赤に染まる。
「にゃ!?にゃああああああ!!!」
なのはの悲鳴がエヴァの家で響いた。