小説 クロスオーバー(Fate・なのは・ネギま)

□第二話
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 夕映に会う少し前のこと、無事森を抜けることができた士郎たちは抜けた先にあった町の中を見回っていた。

「やっぱり、夜だからか人の姿がないな。それにしても、この世界はやたらマナが多いみたいだ。」

「そうだね。それに、何でかどこか懐かしい感じがするような。」

 お互いに感じた感想を言い合いながらも未開の地に対し警戒心は抜かず、周囲を観察し少しでも情報を得ようとしていた。

「なのはもそう感じるのか。・・・恐らくはこの町並みのせいじゃないか?この辺にある建物は地球の欧米系の造りに似ているからな。」

 もしもマナについてなかったら、どこか懐かしく感じる空気やこの町並みから地球と思ったかもしれない。それぐらい似ていた。

「そっか。・・・って、あ!?士郎君!あれ、あれ、見て!」

 なのはが指を指す方向。その先には先程まで建物が邪魔で見ることが出来なかった巨大な木が立っているのが見えた。

「これは・・・、かなりでかいな。ここまでの大きさのものは流石に、今まで見たことがないぞ。」

「うん。・・・これ、あの木の名前かな?世界樹なんて何かのゲームみたいだね。」

 なのはが見つけた道のすぐ横にあった掲示板には、“麻帆良学園『世界樹をこよなく愛する会』部員募集中!!”という張り紙が張ってあった。

「なんて安直な名前な。しかし、ここは学園なのか?その割にはかなり広いようだが。この結界にも何か関係があるのか。ん?・・・って、これは日本語だと!?」

「ええぇ!?ほ、ほんとだ!ということはここってもしかして日本ってこと!?」

 私達、地球に跳ばされちゃったの!?となのはは、少し混乱してしまっている。無理もない。なのは達にとって、日本は、故郷であると同時に現在は、敵地でもある。もともと士郎は指名手配されているのに、派手に動きまわったせいで、現在は二人ともに懸賞金まで掛けられてしまっているのだ。そのためマークされているであろう地球に長くいるということはかなり危険な場所であるのだ。

「少しおちつけ、俺達が地球に住んでいた時は、こんなにマナは濃くなかったはずだ。5年でここまで増えるなんて考えづらい。」

「で、でも、これ日本語で書かれてるんだよ。地球は管理外世界になってるから他の世界に文化があまり広がらないし、まして言語なんて浸透しているわけないよ。」

「確かに、そうなんだが。・・・いや、まてよ。まさか・・・」

 それならマナやあの木のことを俺達が知らないのも・・・、と士郎はぶつぶつと考え出した。

「え?何か分かったの?」

「・・・いや、一つ心当たりがあるが、正直本来ならこれはありえないことだ。もう少し情報を集めてみないことには何も言えないな。」

 なのはの声に首を振りながらの士郎は、考えを打ち切る。

「まあ、しろうくんがそういうなら・・・。あ、しろうくん、あそこ誰かいるよ!」

 士郎の言葉に聞きたそうにしていたが言う気がないようなので、少し不貞腐れながらも、あたりを見渡すと少し先を走っている人影を見つけた。

「ん?確かに誰か走っているな。・・・よし、あの子にいろいろとたずねるてみるか。」

「っえ、ちょ、ちょっと待ってよ、士郎君!」

 士郎はすぐにその人影を追いかけだしてしまい、なのはは慌てて後を追いだした。


 そして物語は冒頭にもどる。
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