小説 クロスオーバー(Fate・なのは・ネギま)

□第三話
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「・・・えっと。とりあえず彼女を巻き込まないでくれたことには感謝するよ。」

 タカミチが、気まずい雰囲気が漂う中、おずおずと士郎対して話しかける。

「・・・別に気にする必要はない。俺達も関係のない彼女を巻き込むつもりはなかったから。それにしても、君のようなものがいるところが学校とはな。」

「皮肉のつもりかい。確かにここは学園でもあるけど、同時に関東魔法協会の総本山だ。僕のようなのがいるのは、むしろ当たり前だろ。それで、どうやって入ってきたか分からないけど、いったい何のようでここに来たんだい?」

 さっきの夕映の事でことでずっと黙ったまま士郎を睨んでいたなのはだったが、タカミチの言葉にピクリと反応する。

「さっきも言ったがここに迷い込んだだけだ。少し事故にあってな。だが、なるほど関東魔法協会か。そのようなところだから結界なんてものが張ってあるんだな。」

『し、士郎くん!関東魔法協会って?地球は魔法文化0のはずだよ!?』

『そうだな。だが、俺達が知らないのも無理もないさ。確かにここは地球ではあるが、』

「?、君達は裏に関わっているんだろう?もし、仮に君達の言ったとおり事故で来たとしても君達のような実力者が、ここのことを知らない何てことはないだろうだろう。」

「いや、知らなかった。というか、知っているはずがないんだが。どうやら俺達は異世界から来たみたいだからな。」

『俺達が昔住んでいた地球ではなく、よく似た別の可能性がある世界。つまり、俺達は平行世界に飛ばされたって事だ。』

「っえ、え〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!」
 
 さらっと言った士郎になのはは、思わず念話も忘れて叫んでしまった。

「・・・なんで彼女があんなに驚いているんだい?」

「いや、さっき異世界だと分かったばかりでなのはには何も伝えていなかったからな。おそらく突然のことで驚いたんだろう。」

『なのは、とりあえずいったん、落ち着け。』

「何故気付かなかったんだい?」

「異世界と言ってもこことよく似ているんだよ。ただ、こちらと違って、魔法協会なんて物がなかったりするが。」

『う〜。わかったよ。でも、いきなり並行世界だなんて・・・。』

『まあ、俺自身信じられんがここまで来てしまうとそれぐらいしか説明が付かない。』

「そうかい。でも、そんな話いきなり言われてこちらが信じると思うかい?」

「まあ、流石に思ってはいないさ。むしろいきなりこんな話を信じたならこちらこそ驚きだ。」

「・・・だったら、どうやって証明するつもりだい?」

「俺達が異世界から来たという証拠を見せる。ただ、その代わりといってはなんだが、こちらの世界について教えていただきたい。こちらが、手札を見せるのだからこちらにも多少の見返り、情報が欲しい。それぐらい構わんだろう?」

 士郎は、タカミチの答えに腕を組みながら、シニカルな笑みを向ける。

「・・・、少し考えさせてくれるくれるかい。」

「別にかまわんが早めに頼む。」

 士郎のその発言に少し考え始めた。

(さて、どうするか。もし、彼が本当のことを言っていても、言っていなかったとしても、今彼らを逃がすわけにはいかない。だけど、ただ戦っても彼らのような実力者と戦ったら、ほぼ確実に周りに被害出てしまうし、勝てるかどうかも分からない。他の魔法先生に連絡を取れても、かえって被害が広がりそうだし。とりあえず今は、彼らの言葉に従うべきか?別にこちらにこれといった損は)

PLUUUUU!!

 どうするか迷っているとタカミチの携帯が鳴り出した。

 取ってもよいかと目で伺うと、士郎はうなずく。

「はい、もしもしタカミチです。」

『おお、タカミチくん。ぜんぜん、連絡がかえってこんから心配したぞい。して、侵入者はどうしたのかのう。』

 電話相手は学園長であった。

「学園長、今その侵入者と一緒にいるんですが・・・、少し困ったことになってしまいまして。」

 学園長という言葉に士郎の眉が動く。

『ほう?どうかしたのかね』

「はい。実は・・・・・。」


『・・・なるほどのう。異世界から来た者か。よし、わかった。タカミチくん、その二人今から連れてきてもらえるかの。』

「学園長?!本気ですか!?」

『本気と書いてマジじゃ。本当に魔法世界以外の異世界から来たとうんじゃったら、ぜひ、見たいからのう。・・・それに、その二人強いのじゃろう?なら、下手に応援を呼ぶよりも、わしも一緒にいたほうが良いじゃろう。』

「確かにそうですが、しかし、」

『では、頼んだぞい。』

「って!学園長!!」

 そう言うとタカミチの返事も聞かずとっとと学園長は切ってしまった。

「…はあ。とりあえず一緒に来てもらえないかい?学園長が君達にあいたいそうだ。」

「こちらは構わんよ。」

「そう言ってくれると助かるよ。じゃあ、僕についてきてくれ。」

 ため息をつきながら、それでも士郎達のことを警戒しながら前に歩き始め、士郎もその後を歩く。

『ねえ、しろうくん。ついてって大丈夫なの?』

 その様子になのはが少し警戒をしながら
士郎の後に続く。

『確かに危険だが、この世界について俺たちはまだあまり知らないからな。この世界は一般人から魔法を秘匿されているようだ。おそらくこんなチャンスは滅多にないだろう。今のうちに多少危険であってもこの世界の裏のことを知ることにこしたことはない。』

 そう言って士郎は、タカミチの背中を見て呟く。

「さて、鬼が出るか、蛇が出るか。」
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