BL(ごちゃまぜ)
□満天の星空の下、
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辺りはもう薄暗く、空は夜を迎えようとしている。
ポン、ポンっ、と単調なボールの音が響き渡るグラウンド。
そのグラウンドの中心でリフティングをしている少年が一人。
「………っと。」
ポン、と胸で落ちてきたボールを受ける。
「……っ。」
バシッと勢いよく上へ蹴り上げれば、空へ吸い込まれるように小さくなるボール。
「……そろそろ帰るか、よっと。」
手でボールを受け止め、少年、不動は持参していたスポドリを飲むと、帰路につくためタオルを首に引っかけ歩きだした。
その時だった。
「ふどーう!!!」
聞き慣れた声が聞こえ、不動が振り返った。
そこには見慣れた誰もが認めるサッカー馬鹿。
「……お前か。」
「ん?」
円堂守。
不動が居るチーム、イナズマジャパンのキャプテンをしている。
「俺も一緒に帰っていいかっ?」
「…べ、別に。」
「さんきゅっ♪」
「っ//、はっ、置いてくぜ。」
「あ、待てって」
円堂の笑顔に赤くなりながらそっぽを向き、スタスタと帰路を歩む。
円堂は円堂で、わたわたしながら不動のあとを追う。
「不動も練習してたのか?」
「あ?…いや。気分転換。」
「へーっ、俺も気分転換に、さっ。海でタイヤでさっ。」
「随分と激しい気分転換だなおい。」
「こ、これは…まぁいいだろっ。」
「……。」
円堂の事だ、大体の予想ぐらいつく。
(…また無理な練習してなきゃいいんだがな。)
キャプテンなのだから。とこっそり付け足す。
「でさっでさっ、なぁ、不動聞いてるか?」
「あーはいはい、聞いてる聞いてる。」
「む、聞いてないだろっ」
「聞いてるって言って…、ここ、擦りむいてんじゃねぇか。」
する、と円堂の頬に手を滑らせる。
「?…ふ、どう?」
「//!!!」
こてん、と首を横に傾げる円堂の仕草にどく、と心臓が大きく波打った。
ハッとして手を円堂のふくふくした頬から退かした。
「か、か、帰ったら手当してもらえよっ!!」
「あ、またケガだな!!」
「またってお前…。」
「いやー、サッカーしてると…、不動っ不動っ」
「あぁ?今度は何だよ。」
呆れながらぐいぐい腕を引っ張ってくる円堂を見ると、上!!と空を指差した。
ふい、と上を見上げれば、
「綺麗だなっ」
「……。」
黒い夜空に映し出された満天の星空。
円堂を見ると、すげー…と呟き、瞳に星を映してキラキラと輝かせ、微笑んでいた。
「なぁすげーよなふど、不動?」
「!!//べ、別に見とれてたとかじゃっ」
「見とれてた?何言ってんだよ不動〜」
にぱー、と笑う円堂。
穴があったら入りたい……っ////
「……あぁあ!」
「な、なんだ?」
「い、今…何時…。」
「は?今?……8時ぐらいじゃねぇ?」
多分、と付け足し、円堂を見れば、サーッ…と青くなる円堂。
「は、走るぞっ不動!!!!秋に怒られる!!!!」
「は、ちょっお、まっ//!!?」
パシッと不動の手を握り、円堂が帰路を走り抜ける。
不動が真っ赤になりながら離せと怒るが、聞こえていないようで。
とくとく、と早く脈を打つ心臓。
(この、気持ちはなんなん、だ…っ//)
きゅ、と軽く不動は円堂の手を握り返した。
満天の星空の下、
少年達は、走り抜けた。
――少年が恋をしたのだと気づくのは、また別のお話。
オマケ↓↓
「二人とも、遅かったわね…?」
「ごっごめん秋っ」
「あっ円堂く、……不動君、どういう、事、なのかな?」
「えっ?は?ああっ//」
「一緒に話し合いをしないか、不動?」
「…はな、話し合いになんかなんねぇだろっ…」
「…俺の円堂と…」
――この後円堂は秋に叱られ、不動は殺されかけた。
あとがき。
あるサイト様に捧げた駄文。
何と言いうか……すいませんでした。
お粗末様でした…。
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