【刀身に映るは下弦の月】
□第参章
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―そんなある夜。
魁を含め彰やその仲間達が、小さな小屋に集まり、密かに話し合いをしていた…。
「奴らも多分、大勢でかかってくるはずだ。十分に気を付けなくてはな。」
「あぁ、少しでも気を抜いたら、命取りだ。」
話し合いは遅くまで続き、
「では、今日はこれくらいにするか。」
その声で皆それぞれの家路についていく。
そして、魁も小屋の外に出ると、
「おい、魁!」
「?」
そこに先に出たはずの彰が待っていた。
「何だ?」
「お前、今度の事、あの子にちゃんと伝えたのか?」
「あの子?」
「はぁ。
以前お前と一緒にいた、お前には酷くもったいない、可愛らしい上級貴族のお嬢さんだよ。」
彰はため息混じりにそう言った。