屑箱
□ファントム社成長の軌跡
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今日はMarch.3。
つまりは……
『Happy雛祭り〜!!!!』
「煩い!!」
何か箱を片手にナマエが客間の扉を叩き開けた。
まったく…本日はエリザベス様もいらっしゃっているというのに…
専用の特別メイド服に身を包む彼女は何ともいえないテンションの高さで坊ちゃんとエリザベス様の間に立つナマエにある人物を重ねてしまい思わず溜め息をついた。
あれですね、ナマエのテンションの高さは仕立て屋のホプキンスさんのそれと同じです。
「騒がしいぞナマエ!!」
『なにおぅ!今日は3月3日。私の居た日本では、今日は雛祭り…つまりは女の子の日!!』
「あら、そんな日があるの!?」
『そうなのよ、リジー!!ってことで、私とメイリンと一緒にたなじぃの煎れたお茶飲みながらお菓子を食べましょう!』
「待て、僕も食べる」
『乙女の日を馬鹿にした坊ちゃんにはあげませ〜ん』
お菓子に釣られて坊ちゃんが名を上げれば、ナマエに即答で断られた。
ナマエは片手の箱からなにやら取り出しエリザベス様にお見せになった。
「…ナマエ、それはなんです?」
『日本の和菓子…雛菓子よ!日本茶によく合うのよ』
「きゃあ!!このお花とか可愛い!!」
「ナマエが作ったのですか?」
『だったらなに??』
「ナマエにそんな才能があったのかと少々疑ってしまいまして」
『おいコラ、喧嘩売ってるなら買ってやるぞ変態腹黒執事』
「ナマエが私に勝つ?どうぞどうぞ出来るものならやってみてください。後で後悔しても知りませんよ」
えぇ、私に牙を向くのならベッドの中でたっぷりと灸を据えてさしあげますが。
ニコリと清々しい程の笑みをナマエに向けてやれば、ピシリと背筋を伸ばしたナマエが逃げるように坊ちゃんの後ろに隠れた。
それにしても………
「雛菓子か……売れるな」
「坊ちゃんもやはりそう思われますか?」
「!!セバスチャンが言うなら間違いはないな。ナマエ、」
『なーに?坊ちゃん』
「後でセバスチャンに雛菓子の作り方を教えてやれ」
『えーなんで、やd「ナマエ…?」…ハイ、オ望ミノママニ』
こうして、ファントム社に新たな商品が加わり、世界的に有名になって行ったのでした。
ファントム社成長の軌跡
(ナマエ、早く食べたいー!!)
(リジーの為ならいつでも作ってあげるよ!!)
(お前たち煩い!!セバスチャン、早くお茶の用意を)
(Yes,my road)
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