屑箱

□ツンデレとクリスマス
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『君尋、君尋?』

「え!?あ、ごめん…なんだったっけ…?」


学校からの帰り道。
君尋はいつものように魔女さんのところに行くっていうから、私も当たり前のようについていく。

…そういえば、明日はクリスマスだ。
つまり今日はクリスマスイヴ。
きっと、今日はクリスマスイヴパーティーになるだろうからと魔女さんに用意したワインを持ってくるのを忘れた。


いや、それは別に大したことではないのだが…さっきから君尋の様子がおかしい。

何年一緒にいると思ってるんだ。

ずっと…あなただけを見てきたというのに。
あなたは私を見てはくれない。


『どしたの?浮かない顔して』

「それがさぁ〜…明日クリスマスだろ?ユーコさんのとこでやるクリスマスパーティーにひまわりちゃんを呼ぼうとしたんだけど、家族で過ごすからって断られてさ……あぁ、ひまわりちゃ〜ん!!!!」



そう…君尋が見てるのは九軒さん。

私の方がずっと長いことあなたといるのに……




「あーぁ、今年もユーコさんちで下働きかぁ〜……」

『何も……予定、ないの?』

「あぁ、うん。これといって特には」

『……寂しい人』

「あぁ?!嫌みか、嫌みなのか!?」




そっか…そうだよね。
九軒さんに断られたんだから…相手なんていない、よね?



「どーせ俺は寂しいやつだよ!!!」

『私も…予定ないんだよね。モテない君尋のために…さ、寂しい者同士…つ、つ、付き合ってあげても…いいよ//』

「へ?」

『っ///や、やっぱり何でもない!!!』



言ってから恥ずかしくなってきた。
…私、何てことを………!

きっと顔も真っ赤になっているに違いない。
俯いて逃げるように走り出せば、後ろからぎゅっと腕を引かれそのまま後ろに引き寄せられた。


「…俺で、いいの?」

『っ、寂しい君尋のためなんだからね!別に、私が君尋といたいからとか…そんなんじゃないから!!』

「…ほんっとに…ツンデレは昔からだね」

『っ〜ー…うるさいうるさい!』




ツンデレとクリスマス



実は君尋の好きな人が九軒さんじゃないと分かるのは翌日。

何故か異様に勘のいい魔女さんとモコナに冷やかされるのは、数時間後。



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