屑箱

□悩むところはそこですか
1ページ/1ページ




今日はお祭りだ。



ミレイさんのお誘いで、アッシュフォード学園生徒会のみんなと、ミレイさんちの別荘にやってきた私たち。

その近くでたまたま開かれていたお祭り。


なんだか卒業旅行みたいで、すごく楽しい。
いや、楽しい理由はそれだけじゃない。

…本当の理由は、私の好きな人……スザクくんがいるから。

なんでも私の事情を知っているミレイさんとルルーシュが気を利かせてスザクを説得してくれたらしい。

ナイスだよ、2人とも!!!



そんなこんなでミレイさん仕込みのくじを引いて、スザクくんとお祭りを回ることになった。
…のだが、



「う〜ん…どっちがいいかなぁ…?ねぇ、どっちがいい?」

『え…それ、私に聞くの?』

「う〜ん…どっちも捨てがたい…」



…彼は、何故こんなことで悩んでいるんでしょうか。

私たちがいるのは屋台の飴屋さん。
そして彼が悩んでいるのは…



「イチゴ飴かリンゴ飴か…」

『…どっちも買えばいいんじゃないかな…?』

「でもさ…さすがの僕も1人で2つは食べきれないよ」



え…いや、あなたならいけるでしょう。

スザクは苦笑しながら私を見た。

苦笑だとしても…彼と面と向かって顔を合わせ、私だけに向けた表情にドキリと心臓が跳ねる。



「もういっそのことさ、半分イチゴ飴で半分リンゴ飴…みたいなのがあるといいんだけど…」

『いや…そんな無茶な…』

「…う〜ん……」

『あの…スザクくん…?』



……ダメだ。
スザクくんは、あの有名な石像のように顎に手を当てて考え込んでいる。

あぁ…せっかくのお祭りデートだと思ったのに。
(私が勝手に言ってるだけだけど……)


その後、ルルーシュたちとバッタリ合うまでスザクくんはその場を動こうとはしなかった。






悩む所はそこですか


(ルルーシュ〜ミレイさーん〜…)
(な!?スザクのやつ、まだ迷ってたのか?)
(へぇ〜スザクくんも案外子供っぽい所があるのねぇ)



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ