屑箱

□ドキドキするのは君のせい
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「あ、こっちだよ!」

『みんな!あけましておめでとう!!』



今日は1月1日、元旦。
バイト先…ワグナリアのみんなと近くの神社に初詣に来ていた。

ここの神社は結構大きくて、屋台も人も沢山いる。

ぽぷらちゃんが手を振って呼ぶからそこ(集合場所)に行けば、既にみんな揃っていた。

ぽぷらちゃんに伊波ちゃん、小鳥遊くん、佐藤さん、轟さん。
あ、店長の杏子さんがいる。
…たぶん屋台の食べ物目当てで来たんだろうな。

それから、葵ちゃんに……



「あけましておめでとう」

『…相馬さん……!』



相馬さん…私の好きな人。



「結構人いるな…」

「お、お、お、男〜…っ!」

「い、伊波さん…落ち着いて!」

「うぅ〜前が見えないよ〜!」

「八千代、あれ食べたい」

「わかりました〜」

「相馬さん。山田、あれ食べたいです!!」

「…佐藤くーん、この子どうにかして」



……自由だなぁ。

参拝者の列は結構長くて、屋台の方に走っていく店長&轟さん。
伊波さんの相手に必死な小鳥遊くん。
佐藤さんはぽぷらちゃんと葵ちゃんが連れて行ってしまった。

気付けばいたのは私と相馬さんだけ。


2人きり…という状況に不謹慎にもドキドキした。



「あ、みんな行っちゃった。しょうがないな…俺らはこのままお参りしてこよっか」

『あ、そうですね…』


ヤバい、ヤバい、ヤバい。
相馬さんが近い!!

ただでさえ2人きりでヤバいのに、人混みに押されてさらに近くなる。

その時、何を思ったのか相馬さんの手が私に触れた。
そのまま指を絡めてぎゅっと握る。
…所謂、恋人繋ぎとかいうやつだ。



『そ、そ、そ、相馬さん!?』

「ん?どうしたの?」

『手っ…握っ…!』

「そうだね」

『っ〜//離してください』

「やだ」



な!?
やだって…子供じゃないんだから。



「……そういえばさ、キミ、こないだ店が一番忙しい時にお皿3枚とコップ割ったよね。店長にはバレてないみたいだけど……」

『……(サアッ)|||』

「それから、確か小さいころ…」

『あぁあ!!すみません、ぜひ手を繋がせてください!!』



その後、ぽぷらちゃんたちと合流しても家に帰るまで終始手を離してはくれませんでした。





ドキドキするのはのせい

(相馬…そろそろ手を離してやれ)
(やだなぁ、佐藤くん。もしかして、自分は轟さんに出来ないからって僻んで……)
(あぁ?)
(いっ、痛い!痛いよ、佐藤くん!!!)



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