屑箱
□変態、やめてください。
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私が通う学校には、"姫"と女たらしがいます。
女たらしはその名の通り、いろんな女の子と付き合ってる…人間として最低な男、ミハエル・ブラン。
そして"姫"とは、実は男で歌舞伎の女形をしてた凄く綺麗な早乙女アルト。
私はパイロット科唯一の女子で、ミシェルとは付き合いが長い。
そんな私たちパイロット科に入ってきたアルトは、始めこそ"姫"と呼ばれからかわれてきたが、最近どうも変わった。
それもこれも…あの最低男…ミシェルに感化されすぎなのだ。
「おい」
『ひゃあっ!?』
誰もいない屋上で一人考え込んでいたら、後ろからいきなり抱きしめられ、耳元で声を出された。
言わずもがな、アルトだ。
「何やってんだ、こんなとこで」
『アルトこそ、いきなり何するのよ!』
「お前がいたから抱きついた」
『サラッと真顔で言うな!』
私は彼の腕から逃げようともがく。
…が、もがけばもがくほど、アルトの抱き締める力は増していく。
ここは屋上…いつ誰に見られるかも分からないのに。
『っ!!!!』
「相変わらず柔らかいな」
『っ〜//何すんだ、この変態!!!』
後ろから抱き締められ腰に回っていた手がいつの間にか胸に到着しており、いきなりのことに思わずアルトの鳩尾に鉄拳を入れた。
こんな…外でやろうとするなんて…信じられない!
確かに私とアルトは恋仲だ。
だから完全断固拒否するわけじゃないけど……
「いいだろ、付き合ってるんだから」
『そ・れ・で・も!セクハラ禁止!!』
付き合い始めたころは、アルトは有り得ないぐらい純情で優しくて…
なのに、ミシェルめ…アルトに何を吹き込んだかは知らないけど、アルトを汚してくれるな!!
変態、やめてください。
(あれ、姫がそっち行かなかった?)
(ミシェル〜!!!!!)
(え?何で怒ってるんだよ)
(ミシェル先輩、素直にその拳を受けてあげたらどうですか?)
(ルカ!?)
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