いち
□迷惑パーティ
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「あっ、それ美味しそうだね」
「む…これはやらんぞ」
「俺も……食べたい…ナマエも食べる?」
『…みんなさ、自分のお皿に乗ったの食べ終えてからにしなよι』
今日は私の同級生…星月学園の腹ぺこトリオと巷で割と有名なお店のケーキバイキングに来ていた。
実家から送られてきたバイキングのチケットは何故か4枚あって…
私は学園でわりかし仲の良いこの3人を誘った。
この人たちなら、バイキングに来たかいがあるだろうし。
「あー!!それ僕のチョコレートケーキ!!!」
「だめ…これは俺の…」
「ナマエ…美味そうだな。それはなんていうやつだ?」
『え…ザッハトルテだけど……まだ向こうにあるから、自分で持ってきなよ』
「む……そうだな、行ってくる」
「ナマエ、僕にも一口ちょうだい」
『あ、ちょ…羊!』
ひつじも神楽坂も龍も、食べてる時が一番和んでるから見てて楽しいんだけど……
さすがにこのメンバーで来たのは不味かったかな…?
この人たちの胃…ブラックホールだから、いくらバイキングと言えどお店のものを食い尽くさん勢いの3人に、私は頭が痛くなった。
『あの、さ…ケーキバイキングだからいくら食べてもいいんだけど………流石に食べ過ぎじゃない?少しは自重しようよ』
「何を言っている。食べ放題だからバイキングなんだろう、食べなくてどうする」
私が呆れ気味に、頬杖をつきながら言えば眉間にシワを寄せた龍に怒られた。
…ごめんなさい。
「………美味い」
基本無表情の神楽坂が、やんわりとした笑顔を見せた。
甘いものは、人を幸せにする。
ひつじがよくそう言うけど、確かにその通りかな…なんて思った。
ひたすら食べる3人とテーブルに積まれた皿の山。
口に運ぶペースは依然落ちることはなく、皿は増える一方。
『……よし!!私ももっと食べよう!』
3人に負けじと、私も皿にデザートを積んだ。
迷惑パーティー
(特大パフェ食べたい…)
(みんなで1つ頼んでみようか)
(そうだな…お前も食べるだろ?)
(…流石に、胃もたれしてきたんだけど………)
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