いち
□密室ろまんちくる
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暇だった。
新聞部の(自称)部長である白銀桜士郎は兎に角暇を持て余していた。
人がいなければ面白いスクープもない。
休日の星月学園はとにかく暇だった。
「つっまんないなぁ〜」
誉チャンは部活行っちゃったでしょ?
一樹は今日は街行くってたし…
…そうだ!ナマエがいるじゃん。
俺なんで気付かなかったかな♪
ナマエは確か生徒会室に行くと言っていたはずだ。
白銀はカメラをぶら下げたまま生徒会室へと上機嫌で歩いていった。
「遊びに来たよん♪…って、あら?」
勢いよく扉を開けた。
……が、生徒会室はシーンと静まり返っていた。
「なんだ…だーれもいないのか?」
ぐるりと辺りを見渡す。
すっと、ソファーから飛び出す足を発見した。
お、なんだやっぱりナマエいるんじゃん。
「くひひ、見つけたよナマエ〜って、寝てるのか…」
回り込んで見ると、ソファーに身体を横たえてナマエが寝ていた。
…まったく、この子は女だって分かってんのかねまったく。
スカート短すぎでしょ、いろいろ際どいし。
…にしても、
「いっつも思うけど睫毛長いなぁ」
あ、そうだ。
シャッターチャンス、シャッターチャンス♪
首からぶら下げたカメラを目の前で構えパシャリ。
ナマエの寝顔ゲット☆
うん、さすが俺。
綺麗に撮れてる←
そうこうしていたら、ナマエが起きた。
状況が分かっていないナマエとカメラ越しに目が合い、俺はまたシャッターを押した。
「ナマエの寝起き顔ゲット☆」
『ぇ?…ぁ…――は!!?』
「くひひ、お目覚めかい?」
『ちょ、まさか…写真撮った!?こら消して!』
「ヤだよ〜」
漸く状況を理解しナマエがカメラを奪おうと手を伸ばした。
くひひ、せっかくの写真を消すわけないでしょ。
…って、ちょ、危な…!!!
ドサドサドサ…!!
倒れ込んで来たナマエを支えきれず不安定な態勢だった俺はそのままソファーの下にずり落ちた。
「いてて…もう…ナマエ無茶しすぎでしょ。にしても…ナマエの方から迫ってくれるなんて。なになに?そんなに俺がほしかったの?くひひ♪」
『え、あっ〜〜ーーーー/////』
俺を押し倒したような形で上にいたナマエが、俺の言葉の意味するところを理解し顔を真っ赤にした。
くひひ〜恥ずかしがっちゃって可愛いねぇ。
起き上がろうとしたナマエを抱きしめて、バランスを崩して倒れ込む形になったナマエのおでこに小さくキスをした。
密室ろまんちくる
(くひひ、2人きりだしこの先もしちゃおーか)
(な//ちょ…桜士郎!離して)
(心配しなくても誰も来ないって。いや、待てよ…番長は危ないな…)
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