屑箱
□意外な所で子供っぽいのは
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「四月一日、お酒〜」
「モコナも〜」
「寝るんじゃなかったんすか!!!」
ここは、次元の魔女ことユーコさんの店。
両親のいない四月一日はここに住み込みでバイトしていて、私もユーコお姉ちゃんの仕事(?)を手伝うためにここに住んでいる。
お姉ちゃんはもう夜中の1時過ぎで今から寝ようという時に、お酒を要求してきた。
お世話係の四月一日くんと私は、もうため息を付くことしか出来ない。
「はぁ…ユーコさん、これで最後ですからね」
「四月一日も飲みなさいよ〜」
「俺は明日も学校だっつーの!!!!」
……お疲れ様です、四月一日くん。
『四月一日くん。あとは私がやるから、四月一日くんは寝てきていいよ』
「や、でも…」
『明日も学校なんでしょ?』
「…じゃあ、お言葉に甘えて…」
そう言って、四月一日くんは何故か寝室じゃなくてキッチンに向かった。
あれ、まだ何かあったのかな…?
不思議に思い私もキッチンに向かう。
『四月一日くん…ごめん、まだ何かあった?』
「あ、いえ、違います!ちょっと…これを……」
これ、と言って四月一日くんが見せてくれたのは…ミルク?
「俺、実はホットミルク飲まないとどーも寝れないんです」
『………………』
ホットミルク…?
意外と子供っぽい所もあるんじゃん。
言ってから恥ずかしくなってきたのか、四月一日くんは仄かに顔を朱くして優しい顔で言った。
「…自分から話したの初めてっすよ。誰にも言わないでくださいよ//」
『ふふ(笑)わかった、私たちだけの秘密ね』
おやすみなさい。
そう言って寝室に戻っていった四月一日くんが、なんだか凄く可愛く見えたのは内緒だ。
意外な所で子供っぽいのは
(あれ〜?四月一日は?)
(寝たよ。お姉ちゃんもそろそろ寝なさい)
(モコナ、一緒に寝たい〜)
(いーよ。ラーグ、一緒に寝よっか)
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