屑箱

□帽子屋は猫がお嫌い
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※aliceパロ


ここは不思議の国、東京・池袋…――

この非日常の世界で唯一白ウサギを殺すことのできるアリスの名を持つナマエは、今日も暇を持て余していた。


『ねぇ、静雄さーん。白ウサギ捜しに行かないのー?』

「うるせぇ。俺はまだ茶飲んでんだよ」


主に帽子屋:平和島静雄のせいで。
帽子屋に与えられた能力は"アリスが敵意を向ける者を殺せる能力"…そのため、アリスであるナマエは常に帽子屋と行動を共にすることを余儀無くされていたのだ。


『暇だよー…早く白ウサギ殺しに行こーよー』

「あー聞こえねー」

『ぶー!聞こえてるでしょ』


静雄は帽子店をCLOSEにし一人で紅茶を飲む始末。

ナマエはいい加減ウンザリしていた。
その時だ。


「随分暇してるねぇ、なら俺がいいとこ連れてってあげるよ」

『チェシャ猫!!!』


不意に耳元から聞こえた聞き慣れた声。
ナマエが思わず声を上げると、奥の部屋にいた静雄がもの凄い形相で入ってきた。


「イーーザーーヤーー!!!何しに来やがった!!!」

「酷いなぁ静ちゃん。俺はただナマエが暇してるだろうと思って遊びに来ただけなのにさ」


そこにいたのは公爵夫人の飼い猫-チェシャ猫の折原臨也だった。

頭に生えた猫耳がさぞかし楽しそうにピクピクと動いている。


「てかさ静ちゃん。静ちゃんに俺は見えてないんじゃなかったの?自分で決めた設定は守らなきゃ」


そうチェシャ猫と帽子屋は常に対立関係にあったりなかったり……
うるせぇうるせぇ…とブツブツ言いながら静雄が懐から拳銃を取り出した。

そしてためらいなくトリガーを引いて一発。


バンッ…――――


『ぅわっ!?静雄さん、部屋の中で撃たないでよ!』

「俺の家にコイツがいるのがいけねーんだよ!飼い猫は大人しく公爵夫人の所にでも帰りやがれ」

「嫌だよ。だって今旦那様帰ってきてるんだもん。俺のダーイスキなご主人様は朝から旦那様の下敷きさ」


何も残念がっていないような爽やかな笑顔を貼り付けた臨也は静雄の銃弾を避けながらナマエの元まで来て…

「ねぇナマエ…ナマエは静ちゃんと違って家を追い出された可哀想なチェシャ猫を愛でてくれるよね?」

チュッ…――

静雄の乱射する銃弾を軽やかに交わした臨也がナマエの背後から頬に口付けた。

それを見た静雄が2本目の拳銃を構えるまであと5秒…――






帽子屋は猫がお嫌い

「殺す…殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!大人しく撃たれやがれ臨也ー!!!!」
「うるさいなぁ…せっかくナマエが暇してるから白ウサギの居場所教えてあげようと思ったのに…」
『え?臨也、白ウサギの居場所知ってるの??』
「勿論!!だってお隣さんだし?」
「黙りやがれ、イーザーヤ!!!」



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