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□振り甘
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ー…何でこんなことに?


西浦高校の屋上で、7、8人位いるなかで、一際背が、高い、坊主頭の彼ー…花井梓は、心の中でそう叫んだ。

確か、今日はいい日だったと思う。天気が良く、絶好の野球日和だった。


ー…今日は、天気いーから、屋上で食おうぜ!!


このセリフは、俺の横に座っている、野球部としては小柄な、鼻にそばかすが散っている、田島悠一郎が、わずか数分前に発した言葉だった。
素直に頷いた数分前の自分を殴り飛ばしに行きたい。あの時頷ずかなければ、少なくともこのような状況に巻き込れずには、済んだのに。
しかし、今後悔しても後の祭なので、とにかくこの状況をどうにかして打破したかった。

事の起こりは数分前、今やクソレフトとして定着している水谷文貴が、

ー…俺、今日さ、凄い眠いんだー…。

と、眠そうな目を擦りながら言った事から始まる。
そこまでは、いいんだ。
部活は、朝早くから有るからな。ただ、その後の栄口のセリフが悪かった。

ー…じゃあ、おいで?

自分の膝をポンポンと軽く叩きながら。水谷は、嬉しそうな顔をして、栄口の膝に頭をのせる。
…膝枕
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