振り×RPG

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図書館を出ると花井は、西の方にある武器屋に居た。

「えっとー、一番強そうなの…」

「へい、らっしゃい!お兄さん旅にでるのかい!?」

店の前で武器を探しているとムキムキな、いかにも若い頃旅に出てましたよ、的なそれなりに年をくった男が出てきた。

「え!?あ、はいそうです。」

「若いのに大変だね!でもまぁおじさんもお兄さんの頃には自由を求めて剣片手に走り回ったっけなぁ…」

「そ、そうなんですか」

おじさんの台詞で花井は自分の考察が間違ってなかった事を知る。

「おうともよ!で、お兄さんは何の武器にするんだい?剣?ハンマー?それとも弓?」

「……。」

立て掛けられた武器を穴が空くほど見た花井は、戸惑った。花井が純粋に憧れるのは剣だ。歴代の勇者達も剣で戦ったと聞いた。しかし、花井は何故か弓から目が離せなかったからだ。

「お、お兄さん弓使いかい?」

「いや、違いますけど。」
「いや〜、そうだと思ったよ。お兄さんになら似合うよ。」

「いえ、だからちがu」

「おじさんのおすすめはこれかなー。ちょっと着けてみ。」

「だからry」

「おーっ!似合ってるよ〜!よっ!色男!」

「……。」

「…で、どうするかい?」

「…買います」

「まいどありぃっ!!」


結局は押しに弱い花井なのであった。

ちなみに花井の弓矢姿はたいそう似合っていたそうな。

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押しきりの様な形で購入した弓を装備し、花井は地図を見直した。

「…え、と、隣町に行くには…迷いの森を通るのか…、」

そこではた、と気づく。迷いの森と言えば最近魔物が出て危ないらしい。母親に近づかないよう忠告されていた。

「…弓もあるし、大丈夫だよな。うん。」

花井は手に持った弓を触り勝手に納得すると、深い森の中へと消えていった。
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