短編

□無自覚は罪ですか(田花+阿部)
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よく晴れた野球日和な日で、あぁ今日も1日頑張ろう、なんて考えていたら早めに来たらしい田島が真剣な目をして考え込むように地面を見ていた。
こんないい天気に何をアイツは悩んでいるんだ、なんて柄にもなく心配して近づいたのが間違っていた。


「田島悠一郎は、花井梓を一生愛し続ける事を誓います。」

近づいてきた俺を見ることなく宙を見ながら告げられたのがこの台詞。
少なくともこの時点で俺のやる気やらテンションやらは急降下中で、田島に関わるとろくな事にならない、と心の中で呟いた。

「…それは俺じゃなくてどっかのハゲに言ってくれ。」

「もう言ったよ。」

即答か。っていうか言ったならなぜ今俺に言った。 あくまでも俺の方を見る気がないらしい田島は今度は手元のボールを弄り出した。

「言ったら逃げられた。顔真っ赤にしてさ、ふざけてんじゃねーよ!だって。」

「あー…。」

その場面を容易に想像することが出来た俺はなんともいえない表情で田島を見た。

「俺さー、本当に花井に愛されてんのかなー。」

「弱気だな。」

「だってさ、俺花井から好きって言われたことナイんだよね。」

「聞けばいいだろ、俺の事好き?って。」

「殴られる。」

かかあ天下とはこの事か。いや、鬼嫁の方が正しいか?
田島尻に敷かれてるじゃねえか。

「俺は好きでいっつも好きって言ってるのになー。」

「どっかのハゲは素直じゃねぇんだよ。」

あぁなんでこんな爽やかで天気がいい日にハゲ主将は素直じゃない、何て言わなくちゃならないのだろうか。 痴話喧嘩なら俺じゃなくて泉でも巻き込んでくれないだろうか。

「そんなとこも可愛いんだけどねー」

困ったようにため息をついた田島の口元はにや下がっていて、俺はただノロケられただけだと悟った。


永遠にやってろバカップル!
(これ以上俺の前でノロケたら殺す
(えー、ノロケてないよー)
(無自覚とかまじうざい)

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