アイシテル

□サクラ散る
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季節の変わり目のお前は危ないことがよくわかった



なるべく人目に触れないようにしないと




犯されるぞカスが



















サクラ散る





















[ねぇ、ザンザス。来週お花見しようよ。ボンゴレとヴァリアー全員参加でさ。あ、あとこれ決定事項だから、よろしく!]




最近綱吉がいい味だしてきたと思うのは俺だけではないはずだ。


電話があったのは丁度一週間前。今日がお花見とかいうやつの当日。


一面サクラとかいう木が植えてある広場にシートを敷いて皆それぞれ準備をしていた。


さすがドンボンゴレと言うべきか、両方の守護者が欠けることなく出席していた。

綱吉にとって一番の不安は自分と雲の守護者が本当にくるかどうかだったろうが、問題なくここに居るため、心なしか嬉しそうだ。


「ちょっとスクちゃん、そっちの端もってくれるかしら?」


「あ゙?こうかぁ?」


「あっ!てめ、ベルフェゴール!!それは俺が十代目の為に用意した料理だぞ!返しやがれ!!」

「うししししっ、これのどこが料理だよ。綱吉毒殺する気かよ」

「ベル、本当のこと言ったら可哀想だよ。コレならまだ死なないんじゃない?倒れるかもしれないけど」

「るっせぇ!大きなお世話だ!十代目、食べて下さいますよね!?」

「えっ?あぁ〜、お腹が減ったらね。……減らないと思うけど」

「十代目ぇ〜!?」

「ししっ」

「拒否されたね」

「ゔぉおい、ベル、マーモン!手伝いやがれぇ!」

「はいはい」

「ム、わかったよ」



一本の木に寄りかかり、様子をみる。

こう見ていると、リング戦後のわだかまりが少し無くなったような気がする。

ベルはスクアーロやルッスの手伝いをしながら嵐の守護者をいじり、それをマーモンが仲裁のように見せかけ、毒舌を浴びせてる。レビィは牛ガキを未だに睨んでいるが手は出さなくなった。

すでにシートが敷かれた上では、ボンゴレの女、子供達が料理を広げて準備を進めていってる。


そこから少し外れた所に、雲の守護者が自分だけの空間を作って、既にお茶を始めていた。


こう一通り見渡してみるが、いつもスクアーロに寄ってくる雨の守護者の姿が見当たらないと思ったのもつかの間。色々な機械をもってきてセットをし始めた。

その機械をみて雄叫びをあげる晴れの守護者。

色々とカオス過ぎる


「ゔぉい、ボス。準備できたぜぇ?立ってないで座ったらどうだぁ?」

さっきまでルッス達とシートを敷いてたスクアーロが手を叩きながら来る。

既にベル達はシートの上で転がりルッスに怒られレビィに八つ当たりをしているところだった。


「たっく、綱吉もよく考えたよなぁ。ボンゴレ、ヴァリアー全員参加の花見なんてよ」


呆れたとでも言いたそうに手をひらひらさせているが、表情は心なしか嬉しそうだ。


「アルコバレーノの仕業だとよ」

「あぁ、それなら納得だぜぇ」

ククッと笑う姿は本当に幼く見える。

「ボースー、スクアーロー!早く来いよー」

ふとベルが呼ぶ声が聞こえ、足を進める。

「スクアーロは俺の隣に座るのな」

「極限に歌いまくるぞー!」

「お兄ちゃんたら」

「スッゴくデンジャラスなお花見になりそうです」

「あ、こらベルちゃんつまみ食いしないの」

「別にいいじゃん」

「スクアーロとボスが遅すぎるのさ」

「十代目、お飲み物どうぞ!」

「ありがとう。始めるから二人共はやく!」



ざっざっとゆっくり歩いてくが、スクアーロが来る気配がなく、一回振り返る。


サクラの木をバックにしているスクアーロはどこか呆けてるようだ。

じっとこちらを見ているだけ。


背後からは急かす声が響いてる。



「…………おら、行くぞ」


言葉と同時に強い風が吹き抜けた。



視界いっぱいにピンクの花びら。


その中に銀をたなびかせ、頬を染め



優しく、優しく微笑んでいる銀色のアイツ……



急かす声はピタッと止まり、皆銀の鮫に釘付けになった。


つかの間の沈黙を破ったのは銀。


「ゔぉおい!!さっさとはじめっぞぉ!」


さっきのは嘘のようにいつも通りに叫んだスクアーロを合図にまたざわつく皆。

どこからか山本が鼻血を出したと騒いでいる声が聞こえる。


「どうしたぁ?ボス」

たたっと小走りに寄って来て、顔を覗き込むスクアーロ。


今度は自分が呆けてしまった。

かろうじて言葉を出す


「……二度とお前を花見に連れて来るか」


「へっ??俺、なんかしたかぁ?」



お前は一度、自分がどれだけ美しい生物なのか知った方がいい。


でないと、この無自覚やろうにどんどん悪い虫がついてしまう。



「………はぁ、いい。絶対俺の傍から離れるなよ」


「――っ!?……S、Si!」





















サクラが散るところでのお前は危ない





ただでさえ綺麗なお前がより魅力的に見えてしまう





これからさき、注意しとかないとお前のことだから





そのうち犯されるかもしれねぇ





本当に世話の焼けるやつだ






(お前の魅力は俺だけ知ってればいいのに)
(どこでも魅力をバラまくお前は)

(いっそのこと監禁しちまえ)




end

あとがき解説

おまけ的な?

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