heart

□夏の青空
1ページ/1ページ

気づいて

気づいて……

窓側の遠い彼に視線を送る。

ぼんやり、窓の外をあたかも見てます。みたいに。

外を見てたまたま貴方も視界に入ってました。みたいに。

先生が黒板にカツカツとチョークを走らせる音だけがやけに響く。

真夏のそよ風が彼の髪を優しく撫でていた。

ちきしょー、カッコイイ

プシューと撃沈。

机に突っ伏した。

クラスメイトを脱しない私たちの関係。

見つめても目が合うことなんて滅多にない。

それって見てるのは私だけってことでしょ?

きっと知らない

私がドキドキしてることなんて。

言わないと伝わらない。

言わないと近付けない。

勇気なんてないくせに

都合良く神様を信じて

"私の方へ意識を向けて"

って祈るように思ってしまう

臆病な恋は実りませんか?

こんな私じゃ好きになってもらえませんか?

キュッと胸が切なくなる。

終業のチャイムは鳴り響くのに

片恋を知った、私の切ない小さな痛みは

胸に巣食ったまま

まだ離れてくれそうにない。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ