heart
□夏の青空
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気づいて
気づいて……
窓側の遠い彼に視線を送る。
ぼんやり、窓の外をあたかも見てます。みたいに。
外を見てたまたま貴方も視界に入ってました。みたいに。
先生が黒板にカツカツとチョークを走らせる音だけがやけに響く。
真夏のそよ風が彼の髪を優しく撫でていた。
ちきしょー、カッコイイ
プシューと撃沈。
机に突っ伏した。
クラスメイトを脱しない私たちの関係。
見つめても目が合うことなんて滅多にない。
それって見てるのは私だけってことでしょ?
きっと知らない
私がドキドキしてることなんて。
言わないと伝わらない。
言わないと近付けない。
勇気なんてないくせに
都合良く神様を信じて
"私の方へ意識を向けて"
って祈るように思ってしまう
臆病な恋は実りませんか?
こんな私じゃ好きになってもらえませんか?
キュッと胸が切なくなる。
終業のチャイムは鳴り響くのに
片恋を知った、私の切ない小さな痛みは
胸に巣食ったまま
まだ離れてくれそうにない。