唯憂専門

□雷
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ジャカジャカ
お風呂上がりの私のギターの音が部屋に鳴り響いている。 でも、雨の音はもっと強い。

雨やむかなぁ? やまなかったら、また明日もギー太を守っていかないと!

そんなことを考えているとお風呂場から憂の声が聞こえた。

憂「お姉ちゃん、私お風呂出たから流しちゃうよ?」
唯「うん、いいよ!」

ー・−・−・−・−・−・−・−・−・−・

憂「ふぅ、、気持ちよかったぁ。」
唯「それは良かったねって、あれ? 憂今日は髪垂らしてるんだ?」
憂「え? あ、うん。
たまにはほどかないと結び目がとれなくなっちゃうからね。」
唯「そうなんだぁ。
そっちの憂も可愛いよ!
いつもそうしてくれればいいのに。」
憂「い、いやお姉ちゃんと間違われちゃうから…。」
唯「う〜んそっか。。
そっちの憂もみんなに見せたいなぁ。
まぁ、憂はどんな髪型でも可愛いけどね!」
憂「!// わ、私はべ、別に可愛くないよ!
お、お姉ちゃんの方が可愛いよ!
そ、それにしても雨強いねぇ。。
洗濯物が乾かないよ…。」
唯「そっかぁ、大変だね〜。」

そんな他愛のない会話をしているとピカッといきなり外が光った。
そして、何秒かして思い出したようにゴロゴロと音がした。 そんなに近くないみたい。

唯「うわぁ、雨強いね、雷落ちちゃったよ、憂。
…うい?」

憂をの方を見ると目に涙をいっぱい浮かべて、鼻を真っ赤にして震えていた。
そういえば憂は雷が怖いんだっけ…。

唯「…怖いの?」
憂「!
べ、別に怖くないよ!
ちょ、ちょっといきなりだからびっくりしちゃっただけだもん…。」

強がって涙を拭きながら言ってるけど、はっきり言って声が震えているから全然説得力がない。

唯「怖いんでしょぉ?」
憂「こ、怖くないよ!」

凄い強がってる。
私はそこでいいイタズラを思い浮かんだ。

唯「そっかぁ。

私眠くなっちゃたからもう寝るね。
お休み♪」
憂「え、お姉ちゃ…
キャッ」

ゴロゴロ
また、雷が落ちた。 叫び声をあげて見るからに平気じゃなさそうだけど意地悪して部屋に行く。
憂怖がってるかなぁ。

コンコン
憂「お、お姉ちゃん…。」

もう来たよ。
本当に怖がりだなぁ。
でもまだやめないよ!

唯「何、憂?」

わざとドア越しに話す。

憂「あのぉ…」

ゴロゴロ

憂「キャッ!」

また怖がってるよ。
もう、可愛いなぁ♪
私はドアを開けてみた。
すると予想したとおりうずくまって、体を震わせている憂がいた。
いつもならここであやしてあげるんだけど、こんなに可愛い憂を見るのは久しぶりだからもうちょっとだけ苛めてみることにした。

唯「何?」
憂「あ、あのぉ、いっ、一緒に寝てほしいんだけどぉ…」

目に涙をためて、いつもの何倍も可愛い声で上目づかいに言われたからクラッときたけど、なんとか抑えてもうちょっとだけじらしてみることにした。

唯「えぇ。 憂怖くないんでしょ?
だから私と寝る必要ないじゃん。」

嘘です。
今にも抱きしめて一緒に寝たいです。

憂「っ!
そ、それはそうなんだけどぉ…」

クラッ
め、めまいが…。
この世のものとは思えないくらい可愛いよ!!
でも、我慢我慢!

唯「だけど、何?」
憂「そ、それはぁ…。」
唯「…私もう寝るから。」

抱きしめようとする体をつねりながら抑えて、ドアを閉めようとした。

グスッ

唯「う、うい!?」
憂「な、なんでぇ、そ、ヒック、そんなにぃ意地悪言う、グスッ、のぉ…。」

やばい! 泣いちゃった…。
でも、泣いてる憂も可愛い…。
って、違う!

唯「ごめんごめん!
うそうそ! ごめんねぇ意地悪しちゃって!
つい憂が可愛い過ぎて…。」

憂は何も言わずコクッとうなずいた。
その仕草もなんとも子供っぽくてかわいらしい…。

唯「ね!
だから一緒に寝よ?」

ゴロゴロ!
うわっ近くで落ちたよ…。

ビック
ありゃりゃ、憂凄い怖がっちゃってるよ。。

唯「大丈夫大丈夫!
行こっ!」

憂はなんとか立とうとするけどすぐペタンと転んでしまった。

唯「…もしかって腰抜けちゃった?」
憂「う、ん…。」

困ったなぁ。
よし! ここは怖らがしちゃったおわびとしてお姉ちゃんらしいところ見せちゃうぞ!

ダキッ
憂「ビクンッ
な、なにぃ?」
唯「私がだっこして運んであげるよぉ!」
憂「えっ? きゃっ」

私はなんとか憂をベッドまで運んであげた。

唯「さっきはごめんねぇ…。
お姉ちゃんと一緒に寝よっ!」
憂「う、うん…。」

ピカッゴロゴロ
また落ちたなぁ…。

憂「っ!
お、おねえちゃぁん…」

ダキッ
憂がいきなり抱きついてきた。
うぅっ、やばいっすよ憂さん!
理性が…。
で、でも慰めなくちゃ!

唯「大丈夫、大丈夫だよぉ」

ナデナデ
そういって震えている憂の頭を撫でてあげた。
ふふっ、子犬みたいで可愛いなぁ。

唯「憂は髪垂らすと甘え坊さんだなぁ♪」
憂「だっ、だってお姉ちゃんがぁ…」
唯「うん、私のせいだよね、ごめんねぇ。。
でも、こういうことしてると昔のこと思い出すよね♪」
憂「昔?」

ー・−・−・−・−・−・−・−・−・−・

その日も今日みたいに雨の強い日だった。
今でこそいつも旅行に行っちゃうお母さんとお父さんだけど、その日は珍しく2人ともいなかった。 旅行じゃなくて買い物だったと思う。
私が小学校3年生、憂が2年生の時だったけ…。

唯「お母さんとお父さん帰ってこないね…」
憂「雨強いし、大丈夫かなぁ…。」

そうそう、その時憂は雨だけで、もう泣きそうだったけ。 髪も珍しく垂らしてたなぁ。

ピカッゴロゴロ

そこでいきなり雷が落ちたんだ。
私もその時は怖かったんだけど、憂の方を見てみると私の何倍も怖がっていた。
2年生の時からもうなんでも私よりもできていた憂だけど、凄い怖がっていいる憂を見て、めったに湧くことのない私の『お姉さん心』っていうのが湧いた。

唯「怖いの?」
憂「だ、だってぇ、雷様におへそ持ってかれちゃうよぉ…。」

多分先生にそんなことを言われたんだろう。
憂は泣きそうになりながらおなかをギュッと抑えていた。

唯「大丈夫だよぉ。

雷様なんか来たら私がやっつけてあげるよぉ!」
憂「ほ、ほんとぅ?」
唯「憂を泣かせるやつなんか許せないからね!
…お姉ちゃんが付いてるから大丈夫!」
憂「…うんっ!
……で、でもおへそは怖いよぉ。」
唯「それなら、、ギュッ
これなら大丈夫だよ。」

私は憂にギュッと抱きついてあげた。

憂「!// ぉ、お姉ちゃんありがとぅ。」

それだけ言って憂は次第に寝てしまった。

それから私は全然雷が怖くなかった。
…だって、私は憂を守らなくちゃいけないからね!

ー・−・−・−・−・−・−・−・−・−・

そこまで話すと憂は真っ赤になっていた。

憂「そ、そのころから変わってないんだ…」
唯「私は可愛いからいいんだけどね!」
憂「っ!! //
も、もうお姉ちゃんったら…。」
唯「…まだ怖い?」
憂「う、ぅん。」
唯「それなら…
チュッ」
憂「ふわぁっ!?
な、なに?」
唯「私の勇気わけてあげるね。
…雷なんかお姉ちゃんがやっつけてあげるから!」
憂「…!
ぁ、ありがとぉ、お姉ちゃん…

カクンッ」

あ、寝ちゃったか。。
ふふっ、寝顔笑ってるよ。
本当に可愛いな!

唯「おやすみ…。
お姉ちゃんが一緒だからね。。」

雷なんか、倒してあげるからね…。
だって、だって私は憂のお姉ちゃんだから!





◇◇◇
雷です。
台風が上陸してるってニュースで見て思い浮かびました。
なんか展開が変だったけど、精一杯唯のお姉さんらしいところを出してみました! …つもりです…。

後、関係ないけど唯に甘えてる憂ってあんまり見たことないから是非とも漫画かアニメで見たいです!
それでは憂の泣き顔が好きなサウスからでした。

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