風歌風唱

□与えられた任務!!
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ブロロロ―


1台の黒い車が大きな純和風の家の前に止まった。


運転手が後ろのドアを開けると、黒いローブに身を包んだ人がそっと降り立つ。


「戻ってきたか…」


テノールより少し高めの声と背格好から、少年と判断できる。


そして、門の標識には‘蓮流家元’の文字と家紋らしき蓮の花が飾られている。


彼が門を通り抜け、そのまま扉をあけようとしたが、ひと足早く扉が開き中から男が出てきた。


「ぁあん?誰だテメェ、ここは風華組本部ってわかっているんだろうな?」


どすの効いた声で少年を睨む男。


「…」


何も言わない少年を見て、男はしびれを切らしたのか、怒りをあらわにする。


「テメェ!!何か言え!!」


「………が……」


掴みかかろうとする男の腕を軽く
払うと、少年は小さく呟いた。


「ぁあ?」


「風華組本部ということは知っているが、この屋敷は、表向きは華道の家ということを忘れていないか?」
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