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真選組の寮にて、鍋を囲む山崎とあやめ。

「レーシックしようかしら」
「やめなよ」
「何でよ」
「怖くないの?」
「するのは私よ。眼鏡なくても見えるようになるし」
「いいよそんなの」
「あなたと銀さんを間違えなくなるわよ」
「尚更いいよそんなの。そんなことしたら俺も君しか見えなくなる」
「怖がりなのね」
「そうだよ笑えば?」
「笑っちゃうわ。あら、あなた舐め箸するのね」
「直してほしい?」
「よくないけど直す気ないなら仕方ないわ私もお箸の持ち方変だし」
「ふうん」
「そう。ね、こんなふうに。じゃがいもぶっすりさしてもあなた何も言わないわよね」
「俺のそういうとこ好き?」
「どうかしら。そうだ。今夜、泊まってってもいい?」
「質問に答えてないひとは泊められません」
「じゃ、帰るわ」
「うう、そうくるか」
「好きか嫌いかそんなに重要かしら?」
「あんまり。けど、時と場合によっては」
「今がその時?」
「君はそう思わないの?」
「さあて、どう…かしらね」

鍋はくつくつ煮詰まっている。
結局、このまま夜を明かすのだろうとどちらともなく思った。




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