apple cider

□baby kiss & hug
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私、アンジェリーナ・ダレスは愛する夫と産まれて来るはずだった我が子を子宮と共に一度に失ってしまった。

その上大切な姉夫婦まで…。

とてもとても悲しくて辛いのに。

後を絶たない中絶をしに来る娼婦達に憤りを感じた。

いらない子宮なら私に頂戴…違うわ…

寄越せと思った。

中絶手術をした患者達を切り裂き、子宮を奪おうと決めたある日の赤い満月の夜

…んぎゃ…んぎゃ…

捨て子かしら?

貧民街で見つけた白いクーハン。

殺人を犯すつもりだったのに

私は何故か…

クーハンの中で泣きじゃくっている赤ちゃんを抱き上げていた。

「綺麗な子ね…ママに捨てられたの?」

えあぁ…えあぁ…

泣きながら必死にしがみついてくる赤ちゃん。

じわり…

「あっ…。」

お乳が出ていた。

赤ちゃんを失っても体は赤ちゃんの為に出来ていると言うことか…。

幼い泣き声に体が反応したのね…。

…すんすん…。

涙を溢れさせて、小さな紅葉を私の乳房にぺちぺちしてきた。

「おっぱい欲しいの?」

私はその子にお乳を与えた。

ちゅっちゅっ…

「…可愛い。」

私のお乳を飲んでくれる赤ちゃんがいる…。

幸せ…。

そうだわ、幸せってこんな感じだった。

今日からあなたはグレルよ。
 
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