JUNK置場

□マヨネーズ狂いと眼鏡っ子
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マヨネーズってサラダの脇に少し添えてある位が丁度いいと僕は思う。

だけど目の前に居る方は尋常じゃ無い程マヨネーズを使っている…。

徳用マヨネーズを一本使い切る気なんだろうか?

それにもう充分でしょ!イタリア料理が可哀相だっ…。

あぁ…失敗した。
アフターする客を間違えたかも知れない。

きっと今、本来の姿ならばハリセンでこの男の頭を引っ叩いてるよ!

「んっ?なんだお前も使うか?」

「いっいえ結構です、あの土方様はマヨネーズがお好きなんですね…。」

唇が引き攣るが、なんとか笑顔を作り土方との会話を続ける新八。

「あぁ、これがねぇと飯を喰った気にならないからな」

「そっうですか…。」

馬鹿舌かっ!

ツッコミたい…だけど我慢しろ僕。

「すみません…少し化粧を直して来ますね」

一言告げて座っていた椅子を引き立ち上がり、トイレへと向かう。

そのさい土方さんに笑顔で微笑む事を忘れずに。

足早に女子トイレの個室に入り、新八は大きく息を吸うと力一杯叫んだ。

「どんだけぇ!マヨネーズ狂いが!!!畜生、こうなったのも全部あの男の所為だ馬鹿野郎っ!」

事の始まりはある男の一言から始まった。

「いやぁ新ちゃん悪いねぇ…銀さんスロットで負けちゃってさぁ。給料払えないわ、あははっ!」

軽口に言い切る男を思い切りハリセンで叩き新八は、頭を抱えた。

「あたたっ…。でも心配すんなって、割と給料のいい日払いの仕事を見付けてきたから。そう怒るなって」

「あんたの無計画さと自堕落に嫌気がさす!」

「ありゃ、でも無計画では無いぞ。しっかりとゴムも財布に入ってるし。勿論生でっ」

「言わせねぇよ!!」

すると奥の部屋から、瞼を擦り欠伸をしながら神楽が現れる

「煩いアル2人共。おい新八お腹空いた」

グゥっと音が部屋に響き、新八は銀時との会話を一時中断すると、神楽の食事を用意する為台所へと向かう。

暫くして3人分の朝食を用意しテーブルに並べると、朝食を見つめ小さく呟いた
「もう少し良い物を神楽ちゃんに食べさせて上げたいな…」

テーブルに並ぶのは一汁一菜、かなり質素だ。

だが神楽ちゃんはオカズに興味が無いとは言うけれど、やっぱり色々な物を食べさせて上げたい。

「それにもうすぐ神楽ちゃんの誕生日だ」

けれど財布事情はかなり厳しい。

それに今月の給料はあの馬鹿がスロットで負けた。

神楽を呼び食事をする、勿論馬鹿の分は無い。

「あれ?新八ちゃん俺の飯は…?」

「有りません…。さぁ神楽ちゃんこれも食べていいからね」

3人分用意はした食事は、全て神楽胃に運ばれ、テーブルには空になった皿しかない。

「それより銀さん、さっきの話しの続きですが、仕事ってどんな内容なんですか?」

「ちぇっ…。腹減ったんだけどなぁ。」

銀時は縋る視線で新八を見つめるが、一瞥され鼻で笑われてしまう始末。

そして銀時は新八の機嫌を伺いながら、仕事の話しを切り出した。
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