本棚 2

□卒業
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ステンドグラスが飾られた大きな講堂

ステンドグラスの作者はこの学園を卒業した岩井さんが寄贈してくれたもの

『卒業生代表、前生徒会会長 伊藤啓太前へ』

「はい」

座っていた椅子から立ち上がり舞台へと向かう。

俺にとってこの学園はまさに運命を変えた

BL学園は選ばれた者だけが集まる学園。

何の取り柄の無い俺がこの学園に入る事が出来たのは、友人でありこの学園の理事長をしている和希のおかげだ。

和希は今は理事長席ではなく生徒側の席に座り俺を見守ってくれている。

和希は卒業と同時に理事長を辞め、本格的に鈴菱グループの総裁になるらしい。

舞台へと上がり深呼吸をし俺は言葉を選び口を開く

「こんにちは皆さん。
堅苦しい挨拶は、歴代の会長達に似て苦手なのでフランクに話しをさせてもらうね。

俺はこの学園に来て色々と学び成長出来たと思っています。
ただ、心残りはやはりこの学園を卒業する事かもしれない。

知っての通り俺には何の取り柄もありません、でもそんな俺を支えてくれる人達がたくさん居ました。
思い出がたくさんある学園を去るねは寂しいですが、俺達は今日卒業します。
先生方、在校生のみんなありがとうございました。」

一歩後ろへさがり、頭を下げる。

すると小さな拍手は大きな拍手へと変わる。

「俺を会長に選んでくれ、支えてくれた卒業した先輩方にも感謝しもう一度感謝の言葉を言わせて下さい。

本当に、ありがとう。
俺、この学園が大好きです」

訳の分からない挨拶となったが、俺は舞台を降り席に戻る

卒業、寂しく感じる言葉

でも今日俺達は新しい未来へ足を踏み出す

卒業式は盛大に終わり、教室に戻ると先生の挨拶があった。

そして、荷物をまとめた部屋へと戻ると携帯が鳴った。

携帯の画面にはあの人の名前

「もしもし…」

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