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□君の隣
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(第1話出会い)

薄暗い路地裏

若い衆を引き連れ闊歩する男がタバコを加えれば側に歩く側近がさっと火を付ける。

そしてしばらく歩いているとその男は足を止めた。

『若頭???どうしました』

不思議に思った側近はその男に声をかけるが男は答えなかった。

すると男は路地裏でもっとも危険な路地へと歩いていく。


焦る側近は慌て追いかけるが男から言われた一言で皆足を止めたのだった


《????Side》

いつもの様に俺は若い衆を引き連れ歩いている時だった

微かに聞こえた小さな泣き声


その声の方に視線を向ければ子供が居た

いつもならきっと無視をしていただろう

けれど今日は何かが違った

見捨ててはいけないと

だから俺はこの子供に声をかけた


「よぉ…どうした?お前こんな所に居たら危ねぇぞ」


すると下を向き泣いていた子供が俺を見つめる

何にも染まる事のない漆黒の瞳から俺は視線を反らす事が出来なかった。


「ひくっ………うぅっ…」

「なぁに泣いてんだ?ほら家迄送ってやる」

けれど子供は先程より声を上げ泣き出す。

こうゆう時どうしたらいいんだろうな…

「ひっ…うわぁん!うぅっ……!!!!!っぅ…痛…い!!」

泣いて痛いと言い出す子供はお腹を抱えその場に倒れ込む。


「おい?!!!大丈夫か!!」

「……ったい、痛い」

長い髪で隠れた頬には真新しい傷跡

そして服をめくれば所々には酷い傷跡がたくさんあった。


「ちっ!!!」

俺は心底この子供を虐待した奴らを殺したくなった

けれど今はこの子供の手当が先。


今だに痛いと言う子供を抱き抱え俺は若い衆の元へ戻り車を手配させる


「おいギン!!!ドクトリーヌの所へ迎え!!」

『分かりました』

何も聞かず車を飛ばす優秀な側近に感謝しながら俺は子供の手を強く握りしめていた。


「大丈夫、絶対お前を助けてやる」


小さなこの命を心から守りたいと男は思った
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