頂き物
□緋色様サイトにてキリ番踏み頂いた小説@
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〜真桐でお買い物〜
桐生一馬、彼は伝説の極道と呼ばれ、最強の名を欲しいままにして来た。
そして今、彼の人は…
「ふむ…スーパーダックスの安売りは卵、ほうれん草、豚肉、等か…」
めっきり主婦になっていました。(ちーん…)
ある晴れた、月曜の朝。
遥ちゃんは、まだまだ真新しいランドセルをしょって学校に行き、リビングには月曜限定saleを開催するスーパーダックスへの出陣準備をする桐生ちゃん。
と、
「認めへん、絶対に認めんで、桐生ちゃん!
ワシの最強のライバルが、おかん(主婦)に成ったなんて、認めてたまるかい!!」
嶋野の狂犬事、真島吾郎がいた。
彼は普段、この時間は事務所で寝てるか、もしくは朝の狩り(不良達をフルボッコ)を楽しんでる筈が、今日は偶々、某CMの如く、そうや、桐生ちゃんの家に行こう。と思い立ち来たら、桐生ちゃんの日課安売りチラシ漁りに出くわしたのでした☆
「兄さん、ちょっと静かにして下さい、チラシは集中して見ないと見落とすんですから。」
必死にチラシを見ながらメモを取る桐生ちゃん(笑)
兄さんは二の次のようだ…
「(あんぐり…)何時もだったらワシが何か言えば反応するんに…(泣)」
真島吾郎、桐生宅のリビングテーブルで男泣きするしかない(笑)
「ん〜…大根…ピーマンは嫌い…」
「嫌いなんか…初耳や、ハハ…(泣)」
もう、乾いた笑いしか出ない(笑)
小一時間後
「よし、ダックスに向かおう」
「え…;
桐生ちゃん、まさかとは思うけどな、それ全部買う気か?」
「そうですよ?」
それとは、ハガキサイズの紙にびっしりと書かれた食材と入り数のメモ。
因みにそれが二枚ある。
「いやいやいやいや!?
買いすぎやろ!?
どんだけ買う気やねん!?」
思わず突っ込む兄さん、しかし天然危険(色香と腕っ節)生物の桐生ちゃん、サラリと、
「そうですか?
冷蔵庫入るから大丈夫ですよ?」
「入るって…;」
そう、桐生宅の冷蔵庫は馬鹿でかい。
と、言うのも、桐生宅の家具全般は、東城会(柏木さん、大吾)からの贈り物(餞別)故にやたら高価だったりデカかったりする。
遥ちゃんの部屋何かは、某夢の国の様な状態だ(笑)
「でもな、桐生ちゃん?」
「はい?」
「どうやって運ぶん?」
「何時も通り5往復もすれば大丈夫ですよ。」
「…;」
スーパーダックス店内にて。
結局、愛しの桐生ちゃんに、そないな大変な思いさせられへん!
とやたら男前な兄さんの愛車でダックスに来た2人。
兄さんのお陰で無事にダックスの行列の最前列を取り、おばちゃん達の仲間入りをする桐生ちゃん(笑)
「えっと…豚挽きが…が、3パック…合い挽きが…」
「桐生ちゃん、人参さんとほうれん草、ジャガイモ、水菜、白菜、キャベツ、レタス、とか、言われた奴持ってきたで〜V☆」
そして、異様に浮いている真島吾郎…(笑)
流石のおばちゃんパワーも兄さんには利かないらしい(笑)
優雅にカートを押してこっちに向かってくる(笑)
「ありがとう御座います、兄さん」
滅多に見れない桐生ちゃんの笑顔…
しかも、よっぽど嬉しかったのだろう、ちょっぴり頬が赤いオマケ付き☆
「気にせんとき、次は何持ってきたらええんや〜?」
こんな桐生ちゃんの笑顔見れんならいっくらだって買いもん付き合うたるわvV
あ、ワシのJr.元気になってもうた…
などと邪な考えを持つ兄さんに気付かないまま、桐生ちゃんは笑顔で「じゃぁ、次は…」と、指示を出していた。
そして、一回(カート二台分)お会計を済ませた後にもう一回カート二台分を満杯にして漸く桐生ちゃんのお買い物が終了。
帰りの車内でコーヒーを飲みながら桐生ちゃんがポツリと口を開いた。
「兄さん、有り難う御座いました」
「ん〜?
どないしたん?
ワシ特別な事しとらんよ?」
「いや、その…///
俺、今まで遥以外の人間とこうやって2人で買い物する機会がなくて…///
嬉しかった…し…その…楽しかったです…//////」
耳まで赤くなり、俯いて恥ずかしそうに話す桐生ちゃん…
彼は親との買い物も恐らく、記憶にない。
そんな彼にとって今回の買い物は相当楽しかったようだ。「桐生ちゃん…」
アカン、口と頭が回らへん…いや、こないな事(独白)考えてる位なら
さっさと何か口にせいやワシ!!
「兄さん本当に有り難う御座います///
あ、変な事言ってすみません…」
「桐生ちゃん、ワシも楽しかったでぇvV」
(赤くなったり、しゅんとしたり、ホンマ可愛ええわ…
長いこと居ったけど、こんなに素直な桐生ちゃん初めてや…
買い物がこんなに楽しくて、おもろいんやったら…)
「また、2人で来よな?」
「兄さん…はい///」
「それと、ワシと遥ちゃん以外とは来たらアカンで?
えぇな?」
「?(頷く)」
「えぇ子やvV」
(こないに楽しいんなら、毎朝桐生ちゃんとこ通って桐生ちゃんとお買い物したり、チラシ漁り手伝ったりしたるわvV)
桐生一馬、彼は唯一狂犬を鎮める事の出来る男。
end
オマケ☆←
「最近、朝嶋野の狂犬が彷徨いて無いな〜…」
「何でも、最強の嫁が出来たって噂たぜ?」
「まじかよ…;
狂犬だけでもヤバいのにその上最強の嫁って…;」
「しかも、狂犬だけじゃなくって、東城会、果ては関西までその美貌と、テクニックで牛耳った上に、腕っ節まで強いらしい…」
「すげー…
…俺らさ、真面目にやろうぜ…」
「あぁ、俺も思った…確実に俺らじゃ瞬殺だよな…」
「あぁ、命は大切だもんな…」
一馬が鎮めたのは、狂犬だけではなく街の不良までもが、おとなしくなったとさ☆
おしまい!