頂き物

□愛の味
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キッチンからコトッ、ゴトッや時折痛みに呻く声が聞こえる
音の主は桐生
彼は今真島の為に料理を作っている所だった
何故作っているかというと
「桐生チャンの手料理が食べたい」
と真島が言ったからである
キッチンに篭って早何十分たったか
やっと姿を見せた桐生に真島はニンマリと微笑む
「味の保障はしねぇ」
と言い、目の前に置かれたカレーライス早速スプーンを手に取り口をつける
「うまい!」
「そんなことは無い。見た目はこんなだし、野菜には火が通ってないかもしれないし…」
自信なさ気に俯く桐生に
「桐生チャンが作ったもんやったら例え見た目が悪かろうと、味が少し変やろうと、桐生チャンの愛の味がするんや」
「愛の味?」
「桐生チャンが愛情込めて一生懸命作ってくれた。俺にはそれだけで最高の料理になるんや」
「兄さん…ありがとうございます」
「別にええよ。また作ってな」
「はい!」
例え見た目が悪くても、味が少し変でも、野菜に芯が残ってても、君が作った料理には愛情が溢れてるから
その料理には確かに、愛の味がした

end
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