デュラララ

□お手伝い
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今年も残り一月となり僕は休日を利用して年賀状を一気に書いてしまおうと机に年賀状を書くために必要な一式を置き一枚一枚気持ちを込めて書き上げていた。

大方仕上げてしまい集中してた間は手が痛くなかったのに手を止めると、どっと疲れて来たので息抜きにと休憩しながら携帯を眺めてみると静雄さんから着信があった事に気付いた。
着信きてから少し時間が経ってたので怒ってるかなとちょっと焦りながら電話を掛けると想像してたのと違いいつもの静雄さんだったのでホッとする。


「連絡するの遅れてすみません。さっきまで年賀状書いてたんで」
「そうだったのか…別に気にするな。……まだ年賀状掛かりそうなのか?」
「もう少し掛かるかもしんないです。」
「なら俺も手伝う」

折角の休日だからゆっくりしてて下さいと断るが帝人の顔が見たいなんて言われたらどうしようもない。


「っ…じゃお言葉に甘えますね。待ってます」
「あぁすぐ行く」


静雄さんが来るならお茶作らないとと立ち上がりお湯を沸かす。
自分の分を先に入れ机に湯飲みと急須を置いてるとチャイムが鳴った。


ドアを開けると静雄さんは手にビニール袋を持っていた。手渡され何だろうと覗いて見ると三色団子だった。


「わぁ…有り難うございます!美味しそうですね。お茶淹れたんで一緒に食べましょ」
「おぉ」


部屋に上がる時にお邪魔しますと言うのでくすりと笑う。


「ん?どうした」
「いえ…律儀だなと思って。あっこれ静雄さんのお茶ですよ。さっき淹れたんで丁度いい温度ですよきっと」
「そっか有り難うな」


静雄さんって意外と猫舌だったりするからこのくらいの温度なら大丈夫かなと様子を伺うと大丈夫そうで安心する。


「お団子美味しいですね…よく食べるんですか?」
「いやコンビニにタバコ買いに行った時にレジ近くに置いてたからついでに買っただけだ」


耳元がほんのり赤くなってるから照れてるのかな?…もしかして僕の為だったりするのかな。って自意識過剰過ぎるか。


「帝人所でハガキはあとこれだけか」
「そうですね。じゃ静雄さんは裏の住所書いてくれますか」
「分かった」


黙々と作業をしチラっと前を覗いて見ると真剣な眼差しでハガキと睨めっこしててカッコいいなといつまでも眺めたくなる。
目線に気付いたのか、ん?と首を傾げこちらを見るので慌てて目線を外す。
変に思われちゃったかな…


「帝人こっちはもう終ったが他に何かあるか?」
「あっ僕も終るんでゆっくりしてて下さい」


待ってる間暇なのかハガキをパタパタと乾かしてくれている。優しいな…静雄さん


***



「やっと出来た!!本当手伝ってくれて有難う御座いました」
「いや大したことしてないし気にするな」
「そんなすっごく助かりましたよ。」


完成した年賀状を眺めてみると静雄さんの書いた字が凄く達筆で驚く。
僕の字は女の子みたいな丸っこい字だから天と地の差だ。


「いいなぁ…こんなカッコいい字僕も書けるようになりたい」
「そうか?俺は帝人の字好きだけどな。にしてもお前絵上手いな」


筆ペンでパパッと描いた絵を褒められるとは思わなかった。普通ですよと言うと静雄さんは余ったハガキにささっと描き俺に見せる。

見てみると龍にとてもみえない絵が描かれてあり悪いなと思いながらも笑ってしまう。


「俺だとこうなるからな。だから正直住所書いてって言われた時ほっとした」
「ふふっそうだったんですか。けど僕このイラストで静雄さんの年賀状貰いたいかも」
「……偽名でいいなら送ってやる」
「やった!楽しみにしてますね。来年早く来て欲しいな」
「そうだな」


また違う一面が見れて得した休日になった。


END


あとがき
絵心無くて字が綺麗な静ちゃんだったらいいなと夢見て書いてみました。
偽名ってのは静ちゃん有名だから帝人以外に欠点見せたくなかったって事で納得して貰えると有りがたいです。


2011/11/29


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