ps.I love you

□君が好き
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「あの…、菊丸くん…。
それって、どういう……」


九美の声が少し、弱々しくなった。

また泣かせちゃったかな、って一瞬思ったけど…
俺は振り返れなかった。


「…どういうって、そのまんまの意味だよ。
本当に俺が好きで選んでくれたの?
もしかして、俺より日吉の方が良かったんじゃ…っ!?」



…背中に突然、温かい感触を感じた。

その感触…、それの正体なんてすぐに分かる。

九美が…俺の背中を抱きしめてくれていたんだ…。


「…好き、なのは…。菊丸くんだけだよ…」



消え入りそうな声でそう呟く君の声は、
あまりにも美しくて……


「…いつでも、会えるわけじゃないのが。
いつでも毎日、会ったり出来ない事が、悔しくて寂しいくらい…
私は……、菊丸くんの事が、好きだよ…。」


…やめて、九美。

そんな事言われたら俺…



「んっ…」


俺は咄嗟に振り向いて、九美にキスをした。

まだあまり慣れていない、不恰好なキスを…


「んん…、ぁ…」


そんな俺の突然なキスでも、君は一生懸命に答えてくれる…。

そんな君が、本当に愛しい。


「あっ、やっ、菊丸くん…っ!」


顔も知らない奴らにすら、妬けてしまうくらい。


「…黙って、ね?」


「ぁ…や…っ」


俺は人影が無いのを確認し、九美の服の下に手を伸ばした。

背中に指を這わせただけで、九美は可愛く声を漏らす。

それだけで俺の感情というか、理性というか…
そんなもんが一気に飛んで行きそうだ…。





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