番外編

□おお振り
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夏川は、すごく野球の才能に恵まれてる

いや、野球に限られてる訳じゃないけど…

なのに、夏川はどこか孤独な感じがする

たくさんの友達がいて、仲間がいて、好いてくれる人達に囲まれているような時でも

夏川は、誰とも根っこのところではわかり合えないのを感じてるみたいで

固い絆でチームメイトと結ばれているときも、ふわりとした分断を、ひそかに心に抱きしめてるみたい

夏川は、聞いたことにしか答えてくれなくて

夏川から、話しかけてくることなんて片手に数えられる程度

しかも、それが部活の伝言とか

他のことはいつも夏川の足で立って

夏川の頭で考えてる

そんなとき、夏川を真に理解できる存在は自身なんだって思ってると思う


いつも微やかな孤独を抱えてる


どーして、こんなこと思ったんだろ


あぁ、そうだ…

夏川が、本当に笑ったところを見たことないからかな




昼のチャイムが鳴り響く

夏川の回りには、数人の女子

モテモテじゃん…

でも、夏川の表情ときたら無表情

俺たちと居るときはあんな顔してないな…

そのかわり俺たちは、夏川の作り笑顔をたくさん見てるよ


オレが聞いたら、夏川は答えてくれるかな?



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