短編

□儚い 2
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あの日から3ヶ月とちょっとが過ぎた今日、再び彼に出会いました。

(あれ、感想文?日記?)

ちなみに、彼の名前は櫻井だということが判明した。
流石に直接聞く勇気はなかったから郵便受けで…俺のヘタレ

あ、今日会ったって話なんだけど本当は夢の中で…

もう、とんでもない夢でした
想像は御自由にどーぞ

俺の口からは絶対に言えません
吐血しそうだし…
違うものも出てきそうだし…

夕方の仮眠を終えて
今はコンビニでレジ仕事

辺りはもう真っ暗だ

ピンポンピンポーン

「いらっしゃいませー」

この時間帯は、学生がやって来る
塾が近くにあるせいかな?
あ、高校も近くにあるな…

「125円になります」

無言で200円を出され、75円の釣りを手渡す

「ありがとうござ…ぃ・・・櫻井くん?」

「・・・」

彼の手は完全に冷えきっていて真っ赤になっていた

彼は目を伏せたまま、ぼぉっとしていた
頬は赤く染まり色っぽく感じた

てか、正夢?

「大野ー、もう今日はあがっていいぞー」

「はい!・・・ちょっと待ってて!」

何て言って、俺は店の奥に入った

・・・俺は何してんだぁ?
何がちょっと待ってて!だぁ…
彼氏彼女じゃあるまいし…

重い溜め息を着いてコンビニを出ると、櫻井くんがさっき買ったホットコーヒー(ブラック)を飲んでいた

俺はまだまだお子様でブラックなんて飲めないから少し櫻井くんを大人に感じた

櫻井くんが俺に気づいて近寄ってきた

「・・・」

や、ヤバイ…
緊張してきた…

さっきは目も合わせてくれなかったのに、どうして今はバッチリ見てくるんだよぉ

「・・・あの、」

「はいっ!!」

「何か用でもあるんですか?」

「へ?」

「いや、待てと言われたんで…」

「ぁ、あぁいや、用っていうか…その、帰り一緒だから…一緒に帰りたいなぁ〜…なーんて・・・」

あー、かなり恥ずかしい!
これがホントの
火から顔が出る…

・・・ん?

あ、
顔から火が出るだっ!

ぅわ、恥ずかしィーー!

火から顔が出たら不味いよな!
こえーっ!

「帰りますか…」

「はいっ!!・・・ぇ、あの良いの?」

「外は冷えるから…」

もう、どっちが年上なんだか…

櫻井くんは、視点が定まらないような
どこ見てるのかわからない目でどこか遠くを見ていた

俺はその櫻井くんをずっと見てたり

てか、空気気まずい…
なんか会話したい…

「えっと、学校…楽しい?」

「・・・普通」

「彼女とか居ないの?」

「居ません」

「えっ!?ウソだ!イケメンのクセに!」

「イケメンじゃないです。それに大野さんの方がイケメンじゃないですか…」

「は?オレ?ないない!」

「見た目の印象は人それぞれですから」

いや、その言い方だと他の人はオレのことイケメンとは思ってないみたいじゃん!
まぁ、実際イケメンじゃないけど…

あ、
自分で思って落ち込んだ…

「・・・大野さんは彼女いないんですか?」

「いない いなぁい、」

「嘘はよくないですよ、女の人が家に入るの見たことありますから…」

「あれは、・・・俺もよく分かんない。軽いノリで付き合う事になったけど、友達以上にはなれなかった」

「・・・どうして?」

「好き…だったと思うけど、ライク止まり。そーだなぁ…言ってみれば愛がなかったのかも」

「・・・」

初めての恋人
だけど、恋人ではない
友達として好きな奴だった

最初はどこまでも軽い気持ちでいけるような気がしていた

あのままセックスだって出来た
誘われたし・・・
キスだってした

それでも、背中にまわされた腕を払ったのは本気になれなかったから…

好きじゃない
と、自覚してしまったからだ

「・・・大野さん、」

「ん?」

色々考えたり思い出しているうちに、マンションに着いていて、自分家のドアの前に居た

それから、櫻井くんに呼ばれたから顔を向けたら予想外の至近距離で唇同士が触れ合った

「…おやすみなさい」

「ぇ、あ…おやすみ・・・」

静かにドアを開けて櫻井くんは家に入った

俺は何が何だかわからなくなってドアな頭をぶつけた

あれ、メッチャ心臓うるさい…
顔アツイ…
え、顔から火出てる?
ヤバくね…?




(俺、死ぬかも…っ////)
(てか、名前教えてたっけ?)
(あ、表札…かな?)

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