本編

□過ち
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「僕のせいだ…」


「ちょっと、総司がへこんだって、亜衣利が見つかるわけないんだし…」


「そうですよ…先ずは、誰かが亜衣利ちゃんを見ているかも知れませんし…」


「総司、お前は工藤を探せ…屯所は俺達に任せておけ…」


「言われなくても…」



沖田はそう呟けば、屯所を急いで出ていく。

皆が焦っている理由、それは亜衣利が何者かに拐われたのだ。





数刻前…

沖田が巡察から戻ってきて、亜衣利の部屋に行けば、部屋は荒らされていて亜衣利の姿はなかった。小夏と屡架に居場所を聞いても、知らないと返ってくるだけ、もしかしたら、その内帰ってくると亜衣利の部屋に戻る。



「亜衣利…ん?アレは…?」



怪訝そうな顔をしながら、部屋を見渡せば、机の上に沖田宛ての文が置いてあった。どう見たって亜衣利の字ではない、沖田はそれを見る。内容は、"女を拐った。返して欲しければ、俺たちを見つけてみろ。"と簡単に書いてあった。沖田はその文を握り潰し、部屋を飛び出す。そこで運悪く土方に捕まった。仕方なく、状況を話すことになった。

そして、現状に至る。






新選組を恨んでいる人はたくさんいる。特に攘夷浪士。亜衣利が拐われたとなると浪士達が溜まり場としている宿が怪しい、しかし、その候補は一人で探すには多すぎる。



「はぁ、どうしよっか…一件一件潰しにいくには厳しすぎるよな……」


「ねぇ、あの娘大丈夫かしら…」


「抵抗してたのに無理矢理よ?怖いわね…」



そんな話を近くの茶屋で女将さんたちが話していた。沖田はその話がもしかしたらと思い、話しかける。



「その話、詳しく教えてくれませんか。」


「あら、いいけど…あの娘の知り合いか何か?」


「はい。多分…」


「なら、早く助けた方が良いわよ?男5、6人で女の子を連れてってたわ?」


「髪短くて、着物は…そう、貴女の瞳の色と同じ…」


「ッ!!どっちに向かいました?」


「あっちよ?」


「ありがとうございました。」



沖田は指を指された方向に走っていった。



「(こっちなら…宿はひとつしかないッ!!)」



そう思いながら、急いで向かって行く。









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