本編
□十五夜
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「今日はお月見ー!!…て事で亜衣利、お団子作って〜」
そう亜衣利に抱きつきながら言う小夏に驚きながらも考えてみると、今日は十五夜だと気づいた。
「ん〜…そうだね。なら、小夏も一緒に作ろう?屡架もね。」
「私は良いわよ?小夏ちゃんは?」
「えぇ…私、料理下手だから嫌だっ!!」
「なら、私作らないよ?いいの?」
「うぅ…亜衣利の鬼、いじわるぅ〜っ!!」
亜衣利の言葉に小夏は項垂れ、屡架に抱きつく。屡架は優しく頭を撫で、話し掛ける。
「あらあら…まぁ、皆と一緒の方が楽しいでしょ?」
「うん…分かった…やる。」
「うん…いい子。」
「わぁーい。よしっ調理場に行こうっ♪」
亜衣利は3人で出来ることが嬉しいのか2人に抱きつき、にっこりと微笑む。2人もそれに答えるように微笑み、調理場へと足を進めていく。
<調理場>
「お団子かぁ〜材料あったかなぁ〜」
亜衣利は材料があるかどうかを確かめるべく、棚を一から調べる。しかし、材料は全くなく、先に進めなくなった。
「材料がにゃい…」
「えぇ〜無いの〜…」
「買いに行かなくちゃダメね…」
「なら、皆で行こう?お月見するならお酒も必要だろうし…お摘まみ用のちょっとしたものとか…」
「そうね。行きましょうか。」
「ほーい。」
3人は改めて買い出しをするため、屯所を後にする。
<町にて>
「ふぅ…買いすぎたかにゃ?」
「大丈夫大丈夫っ!!土方のお金だしぃ〜」
「それにしても買いすぎよ…」
3人の手には大量に買い出しした物を抱えていた。隊士の事を考えていたら、大量に買ってしまったのだ。3人が辛そうに道を歩いていると遠くから見覚えのある人が此方に歩いてくる。
「こなっちゃーん、るかちゃーん、あいりちゃーんっ!!」
「うにゃ…?あれは…?」
「響っ!?何で此処にいるのさっ!!」
「何でって酷いなぁ〜買い物してるのに…小夏ちゃんたちは?」
「お月見をするから、その材料の買い出し。」
「お月見となっ!?」
「響さんも参加しますか?」
「するするぅ〜したいですっ!!」
「賑やかになるにゃ〜」
「そうだね…雪弥と黎も呼んだら?」
「うんっ!!なら行ってきまーす!!直ぐに屯所に行くっ!!」
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