本編
□鬼
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今日は、新選組の隊士は仕事のため屯所を出払っていた。
そして、亜衣利と屡架、小夏は町に買い物をしに来ていた。亜衣利はいつもにもなく歌を口ずさみながら歩いていた。
「にゃにゃにゃーんっ♪」
「亜衣利、ご機嫌だね。何で?」
「沖田さんに簪を貰ったみたいよ?」
「あぁ…あの頭についてる…良いなぁ〜」
「あら…貰ったことないの?」
「貰ったことあるけど…」
「小夏は恥ずかしがり屋だからつけられないんだよ〜」
「うっさいよっ!!てか…前向いて歩きなさい…人にぶつかるから…」
「大丈夫っ♪ぶにゃっ!!」
こちらを見ながら後ろ向きで歩いている亜衣利に小夏が注意すると、亜衣利はにっこりと微笑み親指を立てて、前へと振り返る。それと同時に、前を歩いていた人にぶつかり変な声を出してしまった。
「いたた…」
「ごめんなさい。大丈夫?怪我してない?」
「大丈夫です…こちらこそすいません…」
「いえ…あなたが怪我をしていなければいいわ。」
「もぅ〜ちゃんと歩かないから……」
「すいません…怪我などしていませんか?」
「私は大丈夫です。こんなことで怪我をしませんから。」
「それなら良いのですが…」
「あの…新選組の屯所がどちらにあるかご存じですか?」
「それなら、私たちがいる場所だから案内しようか?」
「ご親切にありがとうございます。それでは、お願いできますか?」
女はにっこりと微笑み、三人の顔を見つめた。
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