本編
□鬼との再会
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「ふぅ〜こんなものかな…」
ちょうど昼が過ぎたあたり華那は、夕食の材料の買い出しに町に来ていた。小脇に袋を抱え、帰路を進んでいく。
「華那さぁーん」
「ん?」
遠くから声が聞こえ辺りを見渡しと、亜衣利が近くの茶屋から顔を出し手を大きく振っている。それに気付いた華那は亜衣利に歩み寄っていく。
「こんにちは。お久しぶりにゃ〜」
「こんにちは。こんなところで奇遇だね……」
「亜衣利、知り合い?」
店の奥にいたのか沖田が亜衣利を後ろから抱きしめながら現れる。そして、華那の顔をジッと見つめる。
「沖田……総司……」
「僕の名前、知ってるんだ……」
初めて会うはずなのに名前を呼ばれ、沖田は少し驚きながらもにっこりと微笑む。
「何で?」
「私……風間千景が妻、華那と申します。どうぞお見知りおきを……」
華那はそう丁寧に言うと御辞儀をする。沖田はそんな華那に納得したような感じで頷く。
「なるほどね…」
「にゃにゃ…」
「どうしたの亜衣利?」
「だって、だって……」
突然、慌て始める亜衣利に少し疑問を感じていると華那はにっこりと微笑み、亜衣利の頭を優しく撫でる。
「亜衣利ちゃんは私が千景の妻だから気にしているのよね。」
「あぁ…心配しなくて良いよ?終わったことだし…」
「本当かにゃ?」
「うん。だから、そんな顔しないで……」
「うんっ!!」
沖田は亜衣利を抱きしめ、華那の目の前で愛を繰り広げられ、にっこりと微笑み見つめる。
「仲が良くて羨ましい…あっ。そろそろ戻らないと…」
「うにゃ。また、会えるかにゃ?」
「えぇ…近いうちに会えるわよ…」
「うんっ!!ばいばぁーい。」
亜衣利は嬉しそうに笑い大きく手を振って華那と別れる。
「総ちゃん。屯所に華那さん、呼んでも良い?」
「んー…土方さん、次第かな?」
「じゃあ、屡架に頼もう。」
「神咲ちゃん、経由なの?」
「土方さんには屡架が無敵っ!!」
「自信ありまくりだね…まぁ、分からなくも無いけど…」
「じゃあ、さっそく土方さんの所へ♪」
亜衣利は楽しそうに笑えば沖田の手を繋ぎ、屯所へと足を進めていく。
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