本編
□旅行
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「うわぁーっ!!」
「うっせぇーぞ!!総司!!」
「だって…亜衣利がいないっ!!」
「当たり前であろう…風間千景の家に行っておるのだから…」
「たく、何で許しちまったんだよ土方さん…」
「馬鹿にも程があるよなっ」
「黎ちゃーん…」
「あぁー…どいつもこいつも…」
数日前。亜衣利たちは千景の妻である華那の誘いで家に行くことを土方に話した。最初は土方も反対をしていたのだが、次の日には意見を変え、承諾してくれた。そのせいで隣にいるはずの恋人がいない。そして、朝から執務をせずに土方の部屋に来ていた。
「たく…なら、行けばいいだろうが…」
「おっ、承諾出た!!行ってきまーす!!」
「おいっ!!総司!!」
「行ってしまいましたが大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないだろー…」
「総司って亜衣利大好きだよな…俺も負けてねぇけど…」
「特別な存在なんじゃねぇか?」
「てめぇら…雑談してねーで総司を捕まえに行けっ!!」
「へいへい…」
土方は怒鳴り散らすと仕方なく原田は沖田を捕まえに部屋を出る。それに続いて平助や新八までも外に出ようとするが土方は阻止をした。
「何でお前らも行く。」
「俺達だって寂しいんだよー」
「同じくだから悪いっ!!」
平助と新八はそう言い残して素早く部屋をでていってしまった。
「……斎藤。………斎藤?」
土方が斎藤の名前を読んでも返事がなかったため、さっきまで座っていたところを見るとそこには誰もいなかった。
「どいつもこいつも…」
土方がため息を着くと刀を腰にさし、部屋を後にしたのだった。
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